「介護職の給料って実際どのくらいもらえるの?」
転職や就職を考えるうえで、収入は重要な判断材料のひとつです。2025年8月に公表された介護労働実態調査(2024年度)によると、介護職の平均月収は24万8,884円。前年比で3.1%アップし、特に20代の若年層では大きく伸びていることが明らかになりました。
本記事では、最新の公的データをもとに介護職の平均月収を詳しく解説しながら、職種別の違いや、月収を上げるための具体的な方法も紹介します。「今の給料は妥当なのか?」「どうすればもっと収入を増やせるのか?」と気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。
【 目 次 】
- 1.介護職の平均月収はいくら?【2025年最新データ】
- 2.年代別・職種別にみる介護職の月収差とは?
- 3.手取り額と額面の違いを理解しよう【意外と知らない給与の話】
- 4.介護職で月収を上げるためにできること【スキルアップ・働き方改革】
1. 介護職の平均月収はいくら?【2025年最新データ】
介護職の収入は、働き方や職場によって差があるとはいえ、業界全体の水準を知るうえで「平均月収」は重要な指標です。2025年8月に発表された介護労働安定センターの『介護労働実態調査』(2024年度)によると、月給制で働く介護職の平均月収は24万8,884円でした。
これは前年より3.1%の増加となっており、業界全体で着実に改善が見られています。
また、特に若い世代の給与の伸びが顕著です。
- 20〜24歳の介護職は前年比**+5.8%**
- 25〜29歳では**+5.0%**
という結果が出ており、初期キャリアの段階での収入改善が進んでいることがうかがえます。
この調査は、全国9,044の事業所・施設に勤務する2万人以上を対象に行われたもので、現場のリアルな声を反映した信頼性の高いデータです。
なお、ここでいう月収とは基本給に加え、毎月固定で支給される手当(通勤手当など)を含む総額であり、ボーナスや残業代、休日出勤手当などは含まれていません。また、税金や社会保険料が差し引かれる前の「額面金額」になります。
つまり、実際の手取り額はこの金額より低くなる点には注意が必要です。
2. 年代別・職種別にみる介護職の月収差とは?
介護職の平均月収が24万8,884円という結果が出た一方で、年齢や職種によって実際の収入には大きな違いがあります。特に、若年層とベテラン層、また現場職と管理職では、月収の水準が大きく異なります。
🔹 年代別の月収の傾向
2024年度の調査では、若年層の月収が前年に比べて大きく増加していることが特徴です。
年代前年比の増加率20〜24歳+5.8%25〜29歳+5.0%
若手層での昇給傾向が強まっている背景には、人材確保のための賃上げや、若手の早期離職を防ぐ取り組みが挙げられます。一方で、中高年層は昇給幅が比較的緩やかであり、全体的な平均を押し上げる要因とはなっていません。
🔹 職種別の月収の差
介護職と一口に言っても、働く内容によって月収には明確な差があります。調査結果から見えてきた主な職種の傾向は以下の通りです。
- ホームヘルパー:最も平均月収が低い職種。パート勤務や訪問型が多いため、時間給ベースになりがち。
- サービス提供責任者・ケアマネジャー:いずれも中堅~管理職としての役割が求められ、月収は平均レベルかそれ以上。
- 看護職員(介護施設所属):今回最も月収の伸びが大きい。医療スキルを活かせるため高収入傾向。
このように、職種選びによって月収に明確な差が生まれるため、キャリア設計をする際には「どの職種を目指すか」も非常に重要な視点となります。
3. 手取り額と額面の違いを理解しよう【意外と知らない給与の話】
求人情報や調査データでよく目にする「月収」や「給与」は、基本的に「額面(がくめん)金額」です。
しかし、実際に自分の手元に入る金額=「手取り」とは異なるため、この違いを正しく理解しておくことが重要です。
🔹 額面とは?
額面とは、税金や社会保険料などが差し引かれる前の金額で、今回紹介している「平均月収24万8,884円」も額面です。
この金額には、以下のような項目が含まれています。
- 基本給
- 毎月定額で支給される手当(通勤手当、資格手当など)
一方で、以下のような変動的な収入は含まれていません:
- 残業代
- 夜勤手当
- 休日出勤手当
- ボーナス(賞与)
つまり、「平均月収=実際の生活費」ではない点に注意が必要です。
🔹 手取りはどれくらい減る?
一般的に、額面から15〜20%程度が引かれることが多く、たとえば月収25万円の場合は、手取りで20万円前後になるケースが一般的です。
差し引かれる主な項目は以下のとおり
- 所得税
- 住民税
- 厚生年金保険料
- 健康保険料
- 雇用保険料
さらに、事業所によっては共済会費や給食費などの独自控除が加わることもあります。
🔹 月収の見え方に惑わされないために
たとえば、「月収30万円!」という求人があった場合、夜勤や残業手当などを含めた変動額である可能性があるため、基本給や手当の内訳を確認することが大切です。
また、月収が高く見えても、夜勤専従や休日出勤が多く体力的に厳しい勤務形態であることもあります。
額面と手取りの違いを理解したうえで、長く働ける職場かどうかを見極める目線が必要です。
4. 介護職で月収を上げるためにできること【スキルアップ・働き方改革】
「介護職=低賃金」というイメージを持つ人は少なくありませんが、工夫次第で月収アップを実現することは可能です。
実際、月収30万円以上を得ている人や、40万〜50万円を目指す人もいます。
ここでは、介護職で収入を上げるためにできる4つの具体的な方法をご紹介します。
🔹1. 夜勤専従・シフト制を活用する
夜勤勤務には通常より高めの手当がつくため、夜勤専従スタッフとして働くことで月収を大きく伸ばすことができます。
- 夜勤1回あたり:6,000円〜10,000円程度の手当
- 月8〜10回の夜勤で+6万〜10万円も可能
ただし、体力的な負担や生活リズムの乱れも伴うため、無理なく続けられるかが重要なポイントです。
🔹2. 派遣や短期契約で高時給を狙う
正社員にこだわらず、派遣スタッフとして高時給の施設に勤務するのも一つの手です。
- 都市部では時給1,400〜1,800円の案件もあり
- 勤務時間が選べるため、Wワークや副業も可能
「安定よりも収入重視」という人にはおすすめの選択肢です。
🔹3. 資格を取得して職域を広げる
資格を取得することで、業務範囲が広がり、昇給や手当アップに直結します。
おすすめの資格:
- 介護福祉士(国家資格)
- 実務者研修
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 喀痰吸引などの医療的ケア関連
特に介護福祉士は平均月収が2〜3万円ほど高くなる傾向にあり、早めに目指す価値があります。
🔹4. 管理職・リーダー職を目指す
リーダーや施設長などのマネジメント職に就くことで、月収30万円以上も現実的です。
- チームの統括・シフト管理・新人教育などが主な業務
- 給与に役職手当が加算される
中小規模の施設では、比較的早い段階でリーダー登用のチャンスがあるため、積極的な姿勢と信頼関係の構築がカギになります。
✅まとめ:自分に合った働き方で収入アップを実現しよう
介護職の月収を上げるには、「働く場所」「働き方」「スキル」の3つを意識することがポイントです。
同じ職種でも、どの施設で、どんな条件で、どんな立場で働くかによって大きな差が生まれます。
「もっと稼げる介護職になりたい」という方は、まずは今の働き方の見直しから始めてみるのが第一歩です。