介護士が看護師とうまくやっていくには?

介護士看護師
高齢者施設には、生活介護は介護士が行い、医療面では看護師が主導的に行います。両者は高齢者のために連携して業務を行うべきですが、立場の違いから意見がぶつかってしまうこともあります。今回はどうやったら、双方うまく業務を行うことができるのかまとめていきます。

目次

  1. 【1】介護士と看護師は対立しやすい!?

  2. 【2】両者はどんなところで対立するの?

  3. 【3】双方うまくやるには?

介護士と看護師は対立しやすい!?

高齢者施設では多くの職種の人が存在しますが、頻繁に高齢者の生活に関わる職種としては、介護士と看護師が挙げられます。両者は日常生活サポートと医療的サポートとそれぞれ役割は異なりますが、利用者のために働くという点では目指すべき方向性は同じのはずです。しかし、両者の間であつれきが生まれ、不和が生じてしまうのはどうしてなのでしょうか。

利用者への関わり方、役割が違うから意見が違うのは当たり前

人の数だけ意見は存在します。介護士と看護師という役割が違う存在同士、利用者への支援の方針を巡って対立するのは無理もないといえます。介護士の学ぶことと看護師の学ぶことは知識の面では両方正しいですが、支援方法は若干異なります。どちらも正しいのですが、アプローチの方法が違うのです。このような違いがあるため意見が異なり、時として対立してしまうのは当然と言えるかもしれません。

 

両者はどんなところで対立するの?

具体的にどんなところで対立するのか、またなぜ対立してしまうのか見ていきましょう。

介護士は生活サポートケアを、看護師は医療的ケアを重視する

介護士は利用者の生活を長い期間サポートしているため、利用者の心境をよく理解しています。利用者に接する時間が長い分、利用者の今の心境を聞くことも多いです。そこから、傾向的に介護士は利用者の心理面での幸福追求を大切にするようになります。一方で、看護師は利用者の体調を守ることが仕事ですから、心理面での幸福追求よりも健康面での数値や身体面での安全を重視することになります。利用者の体調変化は看護師の責任でもあるため、看護師は敏感です。外出支援一つとっても、介護士は利用者の喜びを考えて外出を希望するかもしれませんが、看護師は利用者の外出を体力的に厳しいと判断することになるかもしれません。看護師は利用者に寄り添って、判断に悩む場合も多いですが、やはり優先すべきは利用者の体調の安定です。その責任から情に流されるというよりも、実際の健康数値や身体の状態安定を優先して支援していきます。

看護師が仕事はここまでと決めて、介護士のサポートを行わない

看護師の仕事は高齢者の医療面での支援です。介護士は生活サポートの面で支援するという役割があります。しかし、両者は高齢者を支えるという一つの大きな目的の下、存在しています。それならば、看護師は医療面での支援を中心に別の業務を行うこともあるでしょうし、介護士が行なっていることも支援をする場合ももちろんあるでしょう。施設に勤務している以上、看護師であっても、高齢者の生活介護をすることだって十分あります。

しかし、看護師は介護士とは違うのだという意識や態度を露骨に表現する人も存在しています。看護師は介護士の仕事はできない、トイレ誘導も食事介助もやりたくないし、それは看護師の仕事ではないと、明確な線引きをしている看護師もいます。高齢者施設に勤務している以上、それは臨機応変に行うべきなのですが、そういったプライドや態度が介護士から反発を受けています。

介護士からの医療的ケアへの介入や口出しに看護師が反発する

看護師が打ち出した医療的ケアの方針に対して、介護士が反発することはあります。利用者のそばにいることが多いため、看護師が行うケアに対して結果を予測し、不満を表すというものです。看護師は医療的知識に基づいて判断を下したのですが、それに対して、医療的には素人に近い介護士に意見されるのは面白くないでしょうし、介護士の意見は感覚的な面から発せられる場合もありますから、なおさらです。明確な根拠に基づいて判断を下す必要がある看護師に比べて、介護士は判断の基準を感覚的なもので決めることもしばしばあります。そのような判断基準で意見されることに看護師が反発し、両者の対立を生むことになります。

介護士看護師

双方うまくやるには?

介護士と看護師は高齢者支援の両輪として協力し合うべき存在です。両者が対立しているのは良くありません。双方歩み寄りによって、うまくいくようにした方が良いです。ではどのようにしてうまく付き合っていけば良いのでしょうか。

介護士の利用者支援には正確な根拠を大切にする

看護師が行う医療的判断は生死につながる場合もあるため、慎重かつ正確に行わなければなりません。そのため、様々な医療的数値をデータとして集めて、それを元に客観的な判断を下します。そのような支援決定プロセスが苦手な介護士もいます。数値や正確なデータを根拠として仕事をする機会が多い看護師に比べて、介護士は主観的な意見を言ってしまうことがあります。主観的な意見は、利用者の状態を正しく説明できず、起こっている事態の因果関係をはっきり説明することができません。これでは看護師と利用者支援で内容の濃い相談はできません。そのため、介護士は正確な根拠に基づいて意見を言うようにすると良いでしょう。

お互いの立場に敬意を払う

それぞれ立場は違えど、必要な仕事です。どちらが偉いわけでもなく、利用者の前ではどちらも必要な業務なのです。看護師は医療面のスペシャリストとして利用者を支援し、介護士は生活介護のプロとして利用者を支援しています。それぞれ得意分野が異なるわけですから、看護師は生活面での支援について介護士に、介護士は医療的ケアについて看護師に相談するというようにすれば、良い部分を引き出し合えるのではないでしょうか。その前提にお互いが各分野のプロとして働いているという認識、敬意を持つことが大切です。

看護師から医療的知識を学ぶ

介護士は医療的知識では看護師には全くかないません。病院勤務経験がある看護師であるならば、あらゆる状況を経験してきており、病気や体調管理に関してはプロです。これは介護士は全く歯が立ちません。看護師は人の生死の境目やどうなったら人が亡くなってしまうのかを何度も経験してきているため、医療的なケアでは妥協はできません。そういった姿勢は当然、介護士が学ぶべきものですし、医療的知識においても実地で経験した生きた話を聞くことができます。医療知識の基本は介護士にとっても基本として押さえておくべき内容ですし、看護師に積極的に学んでいくのが良いといえます。

 

看護師の方が年収や社会的地位も上なところから、介護士よりも看護師の方が上の立ち場であると考える人もいます。しかし、利用者支援から見たら、どちらが偉いというものはありません。看護師が介護士の指導的立場になることもありますが、だからといって、介護士は臆する必要はありません。看護師に敬意は払いつつも、根拠を明確にして、積極的に相談を行っていくのが良いです。介護士、看護師共に交流しながら、利用者のより良い生活を目指すのが仕事の目的ですから、積極的に意見交換して業務を行なえるように取り組んでいきましょう。