同性介護と異性介護!介護における問題定義

同性介護と異性介護
介護の原則は同性介護です。しかし、異性介護は当たり前のように行われています。今回は同性介護がなぜ大事であるのか、また異性介護をする時に気を付けなければならないことをまとめていきます。

目次

  1. 【1】同性介護は基本?

  2. 【2】異性介護は当たり前?

  3. 【3】利用者家族の不安って何?

  4. 【4】異性介護を行う上で施設としての対策は?

同性介護は基本?

介護を行なう時には入浴、排泄などをはじめ、利用者のプライバシー性が高い業務が多々あります。それは介護士、利用者にとって、人に見られないように済ませたい部分です。

当然、このように恥ずかしく感じる介護業務に関しては、同性による介護が好ましいと考えられています。

女性利用者が入浴、排泄時に男性介護士から介助を受けるのを恥ずかしいと思うのは当然でしょう。それは男性利用者にとっても同じことです。

同性介護のメリット

介護の基本は同性による介護です。同性介護による良い点は利用者があまり気を使わなくて良く、またプライバシーにより配慮できるというところです。入浴時は陰部を洗う必要がありますし、排泄時に臀部が汚れた場合は清潔にしなければなりません。

また、利用者のデリケートな部分にも介護士はケアをする必要があるため、利用者は同性であっても介護士に気をつかっています。毎回の介助の際にお礼を欠かさず言う利用者もいるほどです。そのような時に同性だとある程度落ち着いて介助を任せることが可能です。

同性が介護をしてくれると思えれば、入浴、排泄を中心としてプライバシーの高い介護で、ある程度はしてほしいことを同性介護士に伝えることもできます。異性介護士が介助する場合は遠慮が生じて、我慢してしまうということも発生してしまいます。

異性介護は当たり前?

同性介護の原則は高齢者介護を始める時にまず習うものですが、実際の介護現場ではどういった介護が行われているのでしょうか。

高齢者施設やデイサービスなどでは、多くの人員を確保できず、また介護士には女性が多い傾向にあることも含めて、全ての同性介護に対応できていない状況です。

もちろん、同性介護に配慮して、なるべくシフトの調整を含めて入浴介助は同性介護になるような調整は各事業所で尽力しているようです。

当たり前のようになっている異性介護

 同性介護を希望する利用者がいたとしても、人員が揃わなかったら異性介護士による介護を受けるしかありません。以前に比べてかなり配慮されてきてはいますが、全ての利用者に同性で対応できるほど人員も充実していません。

また、介護士同様に利用者も男性より女性が多く、そうなるとシフトの兼ね合いもあって、男性介護士が女性利用者の介護を担当することも出てきます。

ただ、利用者が異性介護を気にしていたとしても、介護士はプロとして適切な介護を行なうため、利用者は安心して介護を任せられるようになり、時間の経過と共に落ち着いて任せられるようになっていくようです。

もちろん、そうした状況になったとしても、それは慣れたわけではなく、利用者が我慢しているという事実に変わりはないようですが。

異性介護は問題もあり?

 同性介護では起こらず、異性介護で起こってしまう問題は、利用者によるセクハラが挙げられます。特に男性の認知症利用者の一部には、女性介護士の身体を触ったり、わいせつな言葉を話す場合があります。

こうしたセクハラ問題は男性介護士にも起こりうることですが、女性介護士が被害にあいやすいです。被害にあった女性介護士はストレスをためて、離職につながるほど大きな問題です。

こうしたセクハラは、利用者同士が集まる食堂や団欒スペースといった共有部分で行われることもありますが、一番怖いのは浴室やトイレ、利用者居室で行われる時に介護士にとって大変な恐怖を覚えます。

男性利用者の場合は高齢とはいえ、女性介護士より力が強い場合も多く、力負けしてしまうこともあることから施設としての対策を十分に行わなければなりません。

利用者家族の不安って何?

 

同性介護と異性介護

 

異性介護によって利用者、介護士共にストレスがかかることはよくあります。それに伴って、利用者の家族も不安に感じていることがあります。

それは利用者が異性による介護でストレスを感じてしまっていないかという問題もありますが、一番は異性介護士に対して問題行動を行い、施設への入所を断られないかといった問題です。

施設としては状況が分かるショートステイ利用者が入居してくれれば、何も状況が分からない利用者が入ってくるよりも業務がしやすいので、歓迎します。入居できるかどうかはショートステイを利用した時の様子で決まることもあり、被介護者の態度が悪いと感じています。

ショートステイで暴力やセクハラを行う利用者の場合は、施設で見きれない場合もありますから、入所をお断りすることがあります。利用者の家族は入所拒否になることを心配しており、特にセクハラが起こりやすい異性介護はなるべく避けてほしいとも感じています。

異性介護を行う上で施設としての対策は?

同性介護をやろうとしたら、シフトは回りません。女性利用者と女性介護士が多いため、どうしても女性利用者を男性介護士が介護し、男性利用者を女性介護士が介護するといった事態は避けることはできません。

施設は利用者、介護士の両方を守る取り組みが大切

 利用者による暴力やセクハラは、介護士の対応方法が悪いとして片付けてしまう施設もあります。それは上司にとっては自分の責任とならないようにできることであり、あくまで施設に責任はないとすることで、介護士一人の問題にできるからです。しかし、それでは介護士の離職は減らせませんし、異性介護によるストレスは増えていくばかりです。

暴力やセクハラといった問題は特定の利用者や介護士の性格や支援方法だけの問題にせず、環境や状況から問題行動を捉えなければなりません。

特に重要なのは、有効な策が思い浮かばなかったとしても、問題行動を特定の利用者や介護士だけの責任とせず、施設全員で関わって向き合っていくべき問題としてとらえていく事です。そうすることで、利用者も介護士も負担を減らすことができます。

異性による介護は虐待にあたるなどと言う人もいますが、誠実に業務を行う介護士は虐待行為を行っているのでしょうか。

これは大きな間違いであり、介護士を追いつめる言いがかりのようなものです。高齢者介護の現場では、多くの業務を少ない人員で行わなければならず、同性介護を徹底することは厳しい状況です。

介護現場では、利用者のプライバシーに配慮し、異性介護士が業務を行う際に安心して介護を受けてもらえるように取り組んでいます。福祉業界の待遇改善等が進めば、介護士の成り手も増えて、より同性介護ができるようになるのでしょうが、そうなるにはかなりの時間を要することになりそうです。