介護で注目されるコミュニケーション療法!心療回想士とは

心療回想士
介護現場で、痴呆症やうつ病の予防・進行抑制・治療に活用されている、最新のコミュニケーション療法「回想療法」を知っていますか?キャリアアップとして「心療回想士」の資格も注目を集めています。

目次

  1. 【1】介護現場の最新コミュニケーション療法を学べる「心療回想士」とは?

  2. 【2】特定非営利活動法人「日本回想療法学会」

  3. 【3】「心療回想士」の目的

  4. 【4】「心療回想士」のルール・5W1Hの1Hが認知症予防に効果的な理由

  5. 【5】「心療回想士」になるには

  6. 【6】まとめ

介護現場の最新コミュニケーション療法を学べる「心療回想士」とは?

回想療法は18年ほど前から普及し始めた、最新の最新の認知症予防・介護予防技術を用いたコミュニケーション療法です。心療回想法ではインタビューする側を「レミニシャン(心療回想士)」、インタビューされる側を「レミニン(高齢者などクライアント)」と呼び、この二者の心の交流が最も重要視されます。

「愚痴は認知症のもと」と捉え、楽しいおしゃべりを実践するためのルールが学べる「心療回想士」のなり方や目的について知っておきましょう。

特定非営利活動法人「日本回想療法学会」

日本回想療法学会は2000年に内閣総理大臣によって認証された特定非営利活動法人です。

会員数は2012年時点で650名を超え、認知症の予防や進行抑制を目的として、心療回想法の研究を行い、「心療回想士」の資格を認定している。

「心療回想士」の目的

心療回想法は、ADL(日常生活活動・Activities of Daily Living)の忘却を防ぐことが目的に掲げられています。ADLは、食事や着替え、排泄、入浴、移動など、日常生活を営む上で不可欠な基本的行動を指します。

そのため、基本的に回想法自体は認知症を改善するものではありません。

しかし、認知症になった際に、ADLを維持することができれば、介護する側にとっては、介護の手間が大幅に軽減されること、そして、介護される側(高齢者)にとっても、自信を持って生活でき、制約感や気まずさを減らすことができるため、回想法が活用されているのです。

また、興味深い研究結果としては、回想法は扁桃体を刺激するとして、うつ病の治療や癌になった際の余命告知後の心理的ケアとしても活用されています。

「心療回想士」のルール・5W1Hの1Hが認知症予防に効果的な理由

「回想療法」では、レミニン(高齢者などクライアント)の過去のポジティブな場面を思い出させ、楽しい気持ちを促すことで、認知症予防・介護予防をサポートします。懐かしい思い出を話題にしてコミュニケーションをとることは、「右脳で浮かんだイメージを左脳が言語化していく作業」です。

起承転結の会話を5W話法と呼ぶのに対して、その懐かしい場面の様子がどのような雰囲気だったかを中心にした会話を「1H話法」と呼びます。実は、起承転結を考えながら話すよりも、その懐かしい場面の様子や雰囲気について話す方が高齢者にとっては楽しさが倍増するという結果があります。

ただ単に高齢者と会話をすると、人によっては苦労話や辛かった話など、ネガティブな話や愚痴が多くなってしまいがちです。「回想療法」では「愚痴は認知症のもと」として、「楽しいコミュニケーションの5つのルール」を設けています。

回想療法の楽しいコミュニケーションの5つのルール

① 子供の頃(10歳~15歳)の思い出を話す

② 自慢話は◎。積極的に聞く

③ 笑顔になれるような楽しい話題を提案する

④ 相手の話にしっかり耳を傾け、相づちを打ちながら話を楽しく聴く

⑤ 人の悪口は言わない、聞かない、を意識する

「心療回想士」になるには

心療回想士

心療回想士の資格は通信講座で取得できます。スクーリングはなく、回想療法の通信教育講座を修了すると「心療回想士(5級)」の資格が授与されます。また、同時に「スーパーバイスタイム40時間」が認定されます。条件なしで受講できるのは5級の心療回想士のみです。

実は、回想療法には次の1〜5級のレベルわけがあります。

1級 心療回想法講師

2級 回想療法講師

3級 回想療法士

4級 回想療法士補

5級 心療回想士(受講料:32,000円)

理由としては、認知症予防という基礎の内容から、ガン患者など、死の受容ケアに至るまで広く活用されており、単一的な技術にとどまらないためです。

4級の心療回想士以上の技術級位を得るには、学会本部もしくは支部が主催するセミナーや研究会に出席して、スーパーバイスタイムを累積することで昇級できます。

最新情報は日本回想療法学会のHPで確認しましょう。

http://www.fureai.or.jp/~psytex/index.html

まとめ

今回は「心療回想士」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

介護人口の増加に伴い、認知症の予防や進行の抑制は大きな役割を担います。

高い効果を実感できるこの回想法は、近年受講者が増加している注目の資格です。

介護の現場ですでに働いている人、これから介護業界での就職を考えている人は、ぜひ将来のキャリアアップのためにも「心療回想士」の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか?