認知症介護のスペシャリストを養成?“認知症介護研修”とは

認知症介護者研修
急速に高齢化が進んでいる日本において、介護力は社会的な課題となっています。その中でも特に、認知症の方に対する介護の需要は高まるばかり。そのような状況の中、今「認知症介護研修」に注目が集まっています。

目次

  1. 【1】認知症介護研修とは?

  2. 【2】認知症介護研修の種類

  3. 【3】まとめ

認知症介護研修とは?

認知症介護実践者研修とは、介護の現場において質の高い認知症介護を提供できるようになることを目的とした研修で、実際に介護の現場で働く方を対象としています。研修は都道府県が主催していて、地域によって違いはありますが、年に数回開催されています。

日本では、2060年には人口の40%が高齢者になると言われており、さらに、政府も高齢者が住み慣れた地域で生活をしていくことを支援していることから、地域における介護、特に認知症介護に対する需要は高まってきています。

その際に、「認知症介護研修」は注目される研修になっており、資格の欄にも書くことができるため就職時にも役に立つことが予想されます。

認知症介護研修の種類

認知症介護研修には、大きく分けて7種類あります。ここでは、それぞれの研修について見ていきましょう。

 

認知症介護基礎研修

認知症介護基礎研修は、認知症ケアの初任者として、業務を遂行する上で最低限の知識・技術とそれを実践する際の考え方を身につけることを狙いとする基礎的な研修です。

対象者

研修を受ける都道府県内の介護保険施設・事業所(居宅介護支援事業所を除く)に従事している介護職員等

受講要件

研修を受ける都道府県内の介護保険施設・事業所に従事している介護職員の方はどなたでも受講することが可能です。

研修期間

講義・演習1日間

東京都の場合は1回の定員が80名で年に20回開催されています。なお、受講料は無料となっています。

 

認知症介護実践者研修

認知症介護実践者研修は、介護保険施設・事業所において、質の高い認知症支援を普及させることを狙いとする実践的な研修です。

対象者

研修を受ける都道府県内の介護保険施設・事業所(居宅介護支援事業所を除く)に従事している介護職員等

受講要件(以下のすべてを満たしていること)

(1) 認知症介護に関して、介護福祉士と同等の知識を習得していること

(2) 原則として、認知症高齢者の介護に関する経験が2年程度以上あること

(3) 各施設・事業所において介護・看護のチームリーダー(主任・副主任・ユニットリーダーなど)の立場にあるか、近い将来そうなることが具体的に予定されていること

研修期間

講義・演習6日間、自施設実習2週間

東京都の場合は1回の定員が80名で年に20回開催されています。なお、受講料は無料となっています。

 

認知症介護実践リーダー研修

認知症介護実践リーダー研修は、介護保険施設・事業所内のみならず、地域の中でも事業者間の連携の中心となるなど、リーダーシップを発揮し地域の中で認知症支援の方策を実践できる人材の育成を狙いとする研修です。

対象者

研修を受ける都道府県内の介護保険施設・事業所(居宅介護支援事業所を除く)に従事している介護職員等

受講要件(以下のすべてを満たしていること)

(1) 認知症介護実践者研修(または旧痴呆介護実務者研修(基礎課程))を修了して1年以上経過していること

(2) 原則として、認知症高齢者の介護に関する経験が5年程度以上の方

(3) 各施設・事業所において介護・看護のチームリーダー(主任・副主任・ユニットリーダーなど)の立場にあるか、または、それらの方々を指導する立場にある方

(4) 区市町村または地域において、認知症高齢者ネットワーク作りや支援者の人材育成に役割をもたれているか、意欲のある方

研修期間

講義・演習8日間、他施設実習5日間、自施設実習4週間

東京都の場合は1回の定員が50名で年に6回開催されています。なお、受講料は無料となっています。

 

認知症対応型サービス事業開設者研修

認知症対応型サービス事業開設者研修は、認知症対応型サービスのあり方について理解するとともに、地域密着型サービスの実際について体験し、認知症対応型サービス事業の適切な運営のために必要な知識と認知症介護の質の向上に資する力量を獲得することを目的とする研修です。

対象者

研修を受ける都道府県内の小規模多機能型居宅介護事業者または認知症対応型共同生活介護事業者の代表者の方(具体的な予定がある方を含む)

受講要件

特になし

研修期間

講義・演習1日間、他施設実習1日間

東京都の場合は1回の定員が35名で年に2回開催されています。なお、受講料は4,400円となっています。

 

認知症対応型サービス事業管理者研修

認知症対応型サービス事業管理者研修は、認知症対応型サービス事業の管理者に、事業運営に必要な知識技術を習得させることを目的とする研修です。

対象者

研修を受ける都道府県内の小規模多機能型居宅介護事業者、認知症対応型共同生活介護事業者、または認知症対応型通所介護の管理者の方(具体的な予定がある方を含む)

受講要件

認知症介護実践者研修(または旧痴呆介護実務者研修(基礎課程))を修了していること

研修期間

講義・演習2日間、他施設実習1日間

東京都の場合は1回の定員が70名で年に6回開催されています。なお、受講料は2,600円となっています。

認知症介護者研修

小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修

小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修は、小規模多機能型居宅介護事業所の計画作成担当者に、必要な知識・技術を習得させることを目的とした研修です。

対象者

研修を受ける都道府県内の小規模多機能型居宅介護事業者の計画作成担当者(具体的な予定がある方を含む。)

受講要件

(1) 認知症介護実践者研修(または旧痴呆介護実務者研修(基礎課程))を修了していること

(2) 介護支援専門員の資格を取得していること

研修期間

講義・演習2日間

東京都の場合は1回の定員が20名で年に4回開催されています。なお、受講料は4,900円となっています。

 

認知症介護指導者養成研修

認知症介護指導者養成研修は、認知症介護研修事業の企画・立案・及び講師を行う指導者を養成する研修です。研修内容としては、認知症介護に関する専門的知識及び技術ならびに高齢者介護実務者に対する研修プログラム作成方法及び教育技術の習得をすることが目的となっています。

対象者

次の(1)から(5)までの全てを満たすもののうち、都道府県知事が適当と認め推薦する者

(1) 医師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、言語聴覚士又は精神保健福祉士のいずれかの資格を有する者又はこれに準ずる者

(2) 次のアからウまでのいずれかの要件に該当する者であっておおむね5年以上の介護業務の経験を有する者

ア 研修を受ける都道府県に所在する介護保険施設・事業者等に現に従事している、または過去において従事していた者

イ 福祉系大学や養成学校等で指導的立場にある者

ウ 民間企業で認知症介護の教育に携わる者

(3) 認知症介護実践者研修ならびに認知症介護実践リーダー研修を修了した者(旧痴呆介護実務者研修(基礎課程ならびに専門課程)を修了した者を含む。)

(4) 地域ケアを推進する役割を担うことが見込まれている者

(5) 都道府県の認知症介護実践研修の企画・立案に参画、又は講師として従事することを推薦者が認めている者(具体的には、研修カリキュラムの検討、講義及び演習の講師、本研修修了者の所属する施設・事業所における実習の受け入れ・指導等)

受講要件

対象となる方の条件を満たしている方なら特になし

研修期間

9週間(講義・演習・実習)

東京都の場合は1回の定員が40名で年に3回開催されています。なお、受講料は無料となっています。

まとめ

高齢者が段々と増加してきている日本では、同時に認知症の方も増えてきています。そのような方たちやその家族にとって、認知症介護のスペシャリストはとても心強い存在です。中には基礎研修など、無料で受講することのできる研修もあるため、認知症介護に興味のある方は受講してみるのもいいかもしれません。