移動介護従業者(ガイドヘルパー)は、障害のある人の外出を支える

ガイドヘルパー
1人で外出するのが難しい視覚障害者や知的障害者、全身性の障害者が外出する際のサポートを行う移動介護従事者。ここでは、その資格の種類や取得方法、取得後どのようなところで働けるようになるのか見ていきましょう。

目次

  1. 【1】移動介護従業者(ガイドヘルパー)とは?

  2. 【2】移動介護従事者(ガイドヘルパー)には3つの種類がある!?

  3. 【3】移動介護従事者(ガイドヘルパー)の資格を取るには?

  4. 【4】カリキュラムは?どんなことを学ぶの?

  5. 【5】活躍の場はこんなところ!

  6. 【6】将来性があり、頼りになる資格

視覚障害や知的障害などの障害や、加齢によって歩くのが難しいなど、さまざまな理由で“外出が難しい…。”と感じる方にとって、頼りになるのが“移動介護従業者(ガイドヘルパー)”。移動介護従業者(ガイドヘルパー)は、障害が原因で1人での外出が難しい人をサポートする専門家です。

いったいどのような資格なのか、資格を取るにはどうすればいいのかなどについて、詳しくご紹介します。

移動介護従業者(ガイドヘルパー)とは?

移動介護従事者とは、視覚障害や知的障害・全身性の障害を持つ方など、1人で外出するのが難しい方が安全に出かけることができるようにサポートをする専門家。

2003年の支援費制度によって、今の“移動介護従事者”という名称に変更されました。2006年4月に障害者自立支援法が施行されるのに伴って、“外出介護従業者”に名称が変更されましたが、9月30日をもって“外出介護”サービス業務の大半が市町村の地域生活支援事業に移行、その他の業務が居宅介護サービスの通院介助・行動援助サービス・通院等乗降介助に移行したことで、“移動支援従事者”と呼ばれることが多くなっています。

障害がある方が社会活動に参加する際や、外出時に重要なサービスです。

移動介護従事者(ガイドヘルパー)には3つの種類がある!?

移動介護従事者には、

  1. 視覚障害者同行援護従業者養成研修
  2. 全身性障害者ガイドヘルパー養成研修
  3. 知的・精神障害者行動援護従業者養成研修

と3つの種類があります。

それぞれについて詳しくご紹介します。

視覚障害者同行援護従業者養成研修

視覚障害のため、行動上著しい困難を有する方の外出に同行し、必要な情報の提供や食事・排泄の介助等、必要な援助を行うことができる資格です。

全身性障害者ガイドヘルパー養成研修

先天的・後天的な身体の障害が原因で、行動上著しい困難を有する方が外出する際に、移動の援護や必要な介助を行うことができる資格です。

知的・精神障害者行動援護従業者養成研修

知的障害や精神障害により、行動上著しい困難を有する方に、必要な援護や移動中の介護を行う資格です。

介護職員初任者研修を取得している場合、行動援護従事者養成研修を受講しなくても知的障害・精神障害者の外出の介助をすることができます。ただし、視覚障害者や全身障害者の介助はできません。

移動介護従事者(ガイドヘルパー)の資格を取るには?

移動介護従事者の資格は、都道府県や自治体が指定する講座を受講することで取得することができます。

受講資格は特になく、誰でも受けることができるとされていますが、介護福祉士や介護職員初任者研修等の資格を持っていることが必要とされたり、資格を持っていることで研修が免除される場合等があるなど、都道府県によって異なるため、確認が必要です。

カリキュラムは?どんなことを学ぶの?

移動介助従事者のカリキュラムはどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

◆資格障害者移動支援従業者養成研修課程

科目 時間数 内容
講義 1.障害者福祉にかかる制度及びサービスについて 3時間 障害者福祉の背景をはじめ、制度や自立支援法等について
2.身体障害者居宅介護等について 3時間 介護の社会的役割や現状、関係機関との連携について
3.視覚障害者の疾病・傷害等について 2時間 どれくらいの視覚障害者がいるかや視覚障害の原因や症状・治療について
4.基礎的な移動の支援に係る技術について 2時間 視覚障害者への接し方をはじめ、社会参加、移動支援について
5.障害者の心理 1時間 障害者の心理や人間関係について

 

科目 時間数 内容
演習 移動支援の基本技術 2時間 支援する際の基本姿勢や、狭い場所での歩行等について
屋内の移動支援 2時間 階段の上り下りや杖を用いた歩行等について
屋外の移動支援 4時間 エスカレーターの利用や自動車・交通機関の利用について
応用 1時間 複数の視覚障害者を支援や雨の日の対応等について

◆全身性障害者移動支援従業者養成研修課程

科目 時間数 内容
講義 障害者福祉に係る制度及びサービスについて 3時間 ・障害者福祉の背景や動向、サービス等について

・地域生活支援事業や移動支援事業について

身体障害者居宅介護等に関して 3時間 居宅介護の制度や社会的役割について
全身性障害者の疾病・傷害等について 2時間 ・肢体不自由者(児)の疾病や症状の理解、社会参加について

・車いすや装具・自助具に付いて

基礎的な移動の支援に係る技術 3時間 ・姿勢保持の方法や必要性について

・言語障害の種類や接し方

・事故防止のための留意点

障害者の心理について 1時間 障害者の心理や心理的特徴について

 

科目 時間数 内容
演習 車いすでの移動の支援に係る技術について 4時間 ・車いすの取り扱い方や車いすへの移乗方法

・平地や階段での移動方法について

・エレベーターやエスカレーター等の利用について

◆知的障害者移動支援従事者養成研修課程

科目 時間数 内容
講義 障害者福祉に係る制度及びサービスに関して 3時間 障害者福祉の制度やサービス・動向についてや、地域生活支援事業について
知的障害者居宅介護等に関して 3時間 居宅介護の制度や社会的役割について
知的障害者の疾病・障害に付いて 4時間 知的障害の特性や介護ニーズについて
基礎的な移動の支援に係る技術について 2時間 知的障碍者への接し方や事故防止のための留意点
障害者の心理に関して 1時間 障害者の心理的特徴や人間関係

 

実習 移動の支援に係る技術について 6時間 知的障害者施設等において、階段や屋外・トイレ等の移動支援実習

(引用:https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/guidehelper_shiteibeppyou.pdf

介護福祉士や居宅介護従業者養成研修の修了者など、資格を取得している場合、上記の講義や実習を免除される可能性があります。

研修が実施される都道府県ごとに要件が異なるので、受講前に確認されてみてくださいね。

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活躍の場はこんなところ!

移動介護従事者の資格を取得すると

  • デイサービスや居宅介護事業所等の在宅介護
  • グループホームや特別養護老人ホーム等の介護施設
  • 児童福祉施設等の福祉施設
  • 重症心身障害児施設や障害者更生施設などの身体障害者施設

等で働くことができます。

介護職員初任者研修の資格を取得している場合、訪問看護などを実施している施設で重宝されるようなので、あわせて取得するのがオススメです。また、移動介護従事者の資格を取得することで障害者の外出プランを作成し、外出時の介助ができるようになるので、中型以上の自動車運転免許証を取得していれば、多くの障害者と移動することも可能。老人ホームやグループホーム等で働く際には、中型以上の自動車運転免許証の取得もオススメです。

勤務形態としては、正社員をはじめ、パートやアルバイトなど、さまざまな雇用契約での勤務が可能となっていて、ライフスタイルに合わせて働くことができます。気になるお給料は、パート・アルバイトで時給900円から1300円程度、正社員で16万から20万円前後となっているようです。

また、移動介護従事者の資格には、“視覚障害者同行援護従業者養成研修”“全身性障害者ガイドヘルパー養成研修”“知的・精神障害者行動援護従業者養成研修”の3種類の資格がありますが、その中でも全身性障害者ガイドヘルパー養成研修の資格を取得している場合が一番お給料が高くなるようです。

将来性があり、頼りになる資格

社会の高齢化が進む中、介護の分野はまだまだニーズの高い分野であることが予想されます。今現在においても移動介護従事者の資格取得者は少なく、引く手あまたの状態。将来はもちろん、現時点でも就職に有利な資格です。

1人で外出することが難しい視覚障害者・知的障害者・全身性の障害者にとって、頼りになる移動介護従事者。講座を受講し、修了することで取得することができるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。