少子高齢化の進む今、ニーズの高い複合施設とは

コンビネーションシステム
医療サービスと介護サービスの両方を受けることができる複合施設。高齢化社会が進む中、ニーズが高まっていますが、どのような施設があり、どのようなサービスを受けることができるのか、詳しく解説してみました。

目次

  1. 【1】複合施設とは?

  2. 【2】どんなものがあるの?

    1. 1.介護老人保健施設

    2. 2.特別養護老人ホーム

    3. 3.介護付き有料老人ホーム

  3. 【3】体調の変化に応じて適切なサービスが受けられる

    1. 1.目的に応じた施設選びを

高齢化に伴って長期入院する方が増加し、医療費が膨れ上がったことを背景に、医療費の削減を目的とした入院日数の短縮や療養病床の廃止等が進んできました。

しかし、短期間の入院では自宅に帰って生活するのが難しいという方も多くいらっしゃいます。そんな方にオススメなのが、医療と介護、両方のサービスを受けることができる医療施設と介護施設の複合施設。いったいどのような施設なのか詳しくご紹介します。

複合施設とは?

「病院に入院して治療していたけれど、病状が安定したので退院できる。」という場合、退院先として自宅をイメージする方が多いのではないでしょうか?

入院日数の短縮化が進む中、治療によって病状が安定した状態でも自宅に帰れる状態ではないという方も増加してきています。

“自宅に帰ることができないけれど、退院しないといけない。”

そんな方が、医療や看護、そして、介護を受けて生活し、家庭への復帰を目指す場所として存在するのが医療施設と介護施設の複合施設なんです。

どんなものがあるの?

医療施設と介護施設の複合施設としては

  • 介護老人保健施設
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護付き有料老人ホーム

などがあります。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、“老健”ともよばれる施設。

医師や看護師が配置されていて、医療サービスを受けることができるほか、1人1人の状態や目標に応じて、理学療法士や作業療法士によるリハビリテーションや、栄養管理・入浴・食事などのサービスを受けることができます。高齢者の自立をサポートして、在宅復帰を目指す施設とされています。ただし、自宅に復帰するためだけではなく、老人ホームに入るための仮住まいとして利用する方もいらっしゃるとされています。

入居できる条件として、“65歳以上”“要介護1以上の介護認定をうけていること”が必要となりますが、施設によっては“伝染病などに罹患していないこと”“長期入院の必要が無いこと”などの条件が設けられていることもあります。

入居する際の一時金は不要ですが、家賃や食費・光熱費、そして、日常生活にかかる費用は必要となります。世帯収入や課税状況などによって、負担額も異なっているので、入居を希望する際にチェックされてみてください。

自宅復帰を目指す施設のため、終身利用は不可。入居期間は、平均で3か月から半年、長い方で1年未満となっているようです。

特別養護老人ホーム

複合施設

 

特別養護老人ホームは、認知症や寝たきりなど、在宅での生活が難しい方や、在宅での介護を受けることが難しい方が入所することができる施設のこと。

社会福祉法人や自治体によって運営される公的な施設のため、人気が高くなかなか入居することができない施設としても知られています。

入居する際の一時金は不要ですが、家賃や食費・光熱費、そして、日常生活にかかる費用が必要となります。世帯収入や課税状況などによって、負担額も異なっていますが、施設サービスの利用料金の半額が医療費控除対象となります。月々の利用料金の平均が10万円程度と、民間に比べて安く設定されています。また、入所期間が設定されていないため、長期での入所や終身での利用も可能となっています。

入居できるのは、“65歳以上の方または40歳から64歳で特定疾病のために介護が必要となる方” “要介護3以上の方”とされています。24時間体制で介護サービスを受けることができるなど、介護サービスも充実しているため、要介護度が高い方でも安心して入居することができます。看護師も配置されていますが、夜間は看護師がいない施設もあるため、痰の吸引や胃瘻・褥瘡など、医療処置が必要な場合は退去する必要があることも。医師も常駐していないため、医療サービスが必要な方は対象外となります。

特別養護老人ホームでは、食事や入浴、排せつの介助のほか、リハビリテーション、生活相談、レクリエーションを受けることができます。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、老人福祉法に定められた介護職員・看護職員などの人員基準や車いすでの移動が可能かどうかといった施設のバリアフリー、そして、職員の勤務体制など運営に関する基準を満たした民間の施設。

原則として、65歳以上で要介護1以上の方が入居することができるとされています。

医療機関と連携していて、健康管理や医療サービスを受けることができるというところも多く、結核やMRSAなどの感染症や、胃瘻や気管切開等の医療ケアが必要な方でも安心して入居することができます。また、介護スタッフが常駐しているので、介護サービスが必要な方にも安心の施設と言えます。

介護付き有料老人ホームでは、リハビリテーションを受けることはもちろん、陶芸や将棋などのサークル活動、レクリエーションなどを楽しむことができるため、入居した方が生き生きと過ごすことができるようです。

入居の際には、家賃や管理費・水道光熱費や食費の他、医療費や介護保険料が必要となります。また、入居一時金が必要となる施設も。入居する際に、パンフレットなどで確認されてみてくださいね。

それぞれの施設における特徴や違いは下記の表のようになります。

介護老人保健施設 特別養護老人ホーム 介護付き有料老人ホーム
入居の条件 ・65歳以上

・要介護1以上

・65歳以上または40歳から64歳の介護が必要な人

・要介護3以上

・65歳以上

・要介護1以上

費用 約9~15万円程度 約8~14万円程度 約12~30万円程度
入居期間 平均で3か月から半年、長くて1年未満 終身も可能 終身も可能
介護サービス 介護サービスを受けることもできるが、介護保険 24時間体制で受けられる 24時間体制で受けられる
医療サービス 医師が常駐 医療処置が必要な場合は退去しないといけない場合もある 充実した医療サービスを受けることができる

体調の変化に応じて適切なサービスが受けられる

医療サービスと介護サービスをどちらも受けることができる複合施設。施設の種類によって、医療サービスをより重視している施設、介護サービスをより重視している施設など、受けられるサービスの比重に違いがあるため、どちらのサービスをより重視するかによって施設を選ぶ必要があります。どの施設にも共通していることとして、入居後の体調の変化に応じて、適切なサービスを受けることができるということがあげられます。

病院に入院している場合は、病状が安定したら退院する必要があるうえ、介護サービスを受けることができませんが、複合施設なら医療サービスだけでなく必要な介護サービスも受けることができ、施設を移る必要が無いということがメリットであるといえます。

目的に応じた施設選びを

医療費の削減が国の政策としてもあげられ、入院日数の減少が進んでいますが、退院できる状態になっても在宅に帰ることが難しい高齢者が増加しています。少子高齢化が進む中、医療も介護も必要とする高齢者がますます増加することが予想される今、医療サービスも介護サービスも受けることができる複合施設のニーズが高まっています。

自宅に帰ることを目的として、短期の入居しかできない介護老人保健施設や、長期または終身での入居ができる特別養護老人ホーム・介護付き有料老人ホームなど、入居できる期間は施設によってさまざま。

複合施設では、医療サービス・介護サービスのどちらも受けることができ、介護者の体調の変化にいち早く対応することができますが、どちらのサービスが重視されている施設なのか、なども入居する施設を決める際には検討する必要があります。

公的な施設だけでなく民間の施設も増えている今、それぞれの特徴を理解して、選ぶようにしたいですね。