「介護老人福祉施設」と「特別養護老人ホーム」の違いって?

指定介護老人福祉施設
「特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)」という表記を目にしたことはありませんか?「指定介護老人福祉施って?特別養護老人ホームとの違いは?などなど気になることもあるのではないでしょうか。今回は「指定介護老人福祉施設」についてご説明します。

目次

  1. 【1】根拠法の違い

  2. 【2】老人福祉法と介護保険法の違いって?

  3. 【3】指定介護老人施設ってどんな施設?

    1. 1.指定介護老人施設ではどんなサービスをするの?

  4. 【4】やっぱり魅力的?指定介護老人福祉施設のメリット・デメリット

    1. 1.メリット

    2. 2.デメリット

「特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)」とくくられるように、両者の機能にあまり違いはないんです。

では、なぜこのように表記が2つあるのか?これには法律が関係してきます。

根拠法の違い

特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)は国が認可する公的な福祉施設です。となると、法律によって設備や運営といった基準が定められなければなりません。実はこうした基準を定めている法律が異なっているのです。

 

特別養護老人ホーム 老人福祉法(昭和38年法律133号)
指定介護老人福祉施設 介護保険法(平成9年法律第123号)

 

特別養護老人ホームは「老人福祉法」、指定介護老人福祉施設は「介護保険法」が根拠となっていますね。両法律を比較してみると、老人福祉法は昭和38年とかなり古いものだということがわかります。

しかし、もうこの法律は使われなくなったわけではなく、2つの法律が効力を持っている状態です。

老人福祉法と介護保険法の違いって?

ではいったいなぜ、2つの法律が使われているのでしょうか?老人福祉法と介護保険法の違いについて説明します。

実は、老人福祉法のほとんどの運用面での役割は介護保険法の方に移行しており、老人福祉法と介護保険法の内容に大きな違いはないんです。そのため、老人福祉法が使われる場面は減りました。しかし、一部老人福祉法が使用される場面があります。

それは「やむを得ない事由により」高齢者に介護保険法が適用できないときです。この「やむを得ない事由」とは以下の通りです。

高齢者本人が家族等の虐待または無視を受けている場合

認知症その他の理由により意思能力が乏しく、かつ、本人を代理する家族等がいない場合

つまり、高齢者の生命や身体に関わる危険性が高く、そのままの状態でいると重大な結果を招くことが予想された場合に、老人福祉法の措置がとられるのです。老人福祉法では、次のサービスがやむを得ない場合に利用できるとされています。

訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、小規模多機能居宅介護、

認知症対応型共同生活保護、特別養護老人ホーム

参考:http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/728488.pdf

以上のサービスを市町村が老人福祉法を根拠として実施していきます。すなわち、緊急事態に備えて古くから使われてきた老人福祉法を残しているということになるのです。

指定介護老人施設ってどんな施設?

 

指定介護老人福祉施設

 

次に指定介護老人施設の介護や施設登録申請についてくわしくご紹介します。

指定介護老人施設ではどんなサービスをするの?

大きく分類すれば、特別養護老人ホームと提供するサービスは変わりません。指定介護老人福祉施設でも、入所された要介護者の方に対して、それぞれのケアプランに基づいて介護サービスを提供します。具体的なものとして、入浴・食事・排泄といった基本的な介護や、その他の日常の世話、機能訓練・健康管理・療養の世話が挙げられます。

現在では、さらに質の高いサービスを提供するために新型の施設の整備が進められています。従来では、複数人が共同で利用する多床室が多かったのですが、全室個室やユニットケアの体制を整えるところが増えています。さらに地域密着型の介護を重視して、入所定員が少数の施設も、地域密着型介護老人福祉施設として位置づけられるようになりました。

指定介護老人福祉施設になるには?

指定介護老人福祉施設の設置となるには、施設が所属する自治体の指定を受けなればなりません。今まで特別養護老人ホームの指定を受けていた施設も自治体への申請が必要です。自治体の窓口やホームページで、提出書類などの申請方法をくわしく案内しているので、確認の必要があります。自治体が提示する基準を満たすことができれば、無事に指定介護老人福祉施設の認可を受けることができるのです。

やっぱり魅力的?指定介護老人福祉施設のメリット・デメリット

国の認可がある指定介護老人福祉施設。さまざまな選択肢のある介護施設ですが、老人福祉施設に入居するとなったらどんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

メリット

①安価な入居費用

公的な機関ということもあり、医療控除を受けることができます。さらに扶養義務のある家族や本人の世帯収入や課税状況に応じて、負担額が決まります。

②長期入所・24時間の介護が受けられる

寝たきりなど介護度の高い方が入居されることが多いので、終身利用も可能です。もちろん、夜間の介護も行っており、安心して介護を任せることができます。

デメリット

①なかなか入居ができない

これは施設の性質上仕方がないともいえますが、入居できるのは原則として要介護3以上の方と定められています。介護の必要性が高い人ほど優先的に入居できるようになっていますが、費用も安く済むこともありまだまだ待機者も多いのが現状です。

②「医療面」が整えられていない

少ない看護師の人数で大勢の利用者を看ている状況の施設が多いことも事実。また、医師の配置も看護師の夜間常駐も義務付けられてはいないので、緊急時に迅速な対応が臨めるかという部分は不安が残ります。さらに、入居者の方に常時の医療処置が必要になってしまえば対応することができずに、退去しなければならなくなることも。

「指定介護老人福祉施設」は国から認可を受けているのでやはり信頼できるところも多いのは確かですが、いざ入居を考えてみると個人の状況によっては引っかかる部分も出てきます。しかし、現在では医療面も充実した施設も増えてきているので、自身の状況に合わせて個別にチェックすることが大切です。