低コストで長期入所が叶う。「特別養護老人ホーム」って?

社会福祉法人や地方公共団体が運営する「特別養護老人ホーム」はいったいどのような施設なのでしょうか。人気の理由や、入居条件など、特別養護老人ホームの特徴についてご紹介します。

目次

  1. 【1】特別養護老人ホームってどんな施設?

  2. 【2】実はまったく違います!有料老人ホームとの違い

  3. 【3】コストを抑えたい方におすすめ

特別養護老人ホームは、「寝たきり」や「認知症」など、病気や障がいを抱える高齢者の方のうち、自宅での生活が難しい方を対象とする入所施設です。社会福祉法人や地方自治体などによって運営される公的施設で、介護老人福祉施設とも呼ばれており、「特養」と略されるのが一般的です。

特別養護老人ホームってどんな施設?

介護を必要としている高齢者が入所する特別養護老人ホーム。いったいどんな施設なのでしょうか。入所の条件などを解説します。

特別養護老人ホームの入所基準

特別養護老人ホームの入所対象者は、原則65歳以上の高齢者で、介護認定を「要介護3」以上で受けている方とされています。

その他、伝染病などの疾患がなく、長期的な入院を必要としない高齢者であることなどが条件にあげられますが、施設によって追加の条件を設けているケースもあるため注意が必要です。

特別養護老人ホームに入所するには?

入所申請するには、市役所や区役所など、各自治体へ申し込みを行います。その後「老人福祉法第15条第6項の規定」に基づき、入所検討委員会の審査を経て、入所判断が下されます。特例として、介護度1や2 の方も以下の条件に当てはまる場合は入所が認められています。

  • 認知症で、日常生活に支障をきたすような症状等が頻繁に見受けられる場合
  • 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活が困難な場合
  • 深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難な状態の場合
  • 単身世帯等家族等の支援が期待できず、地域での介護サービス等の供給が不十分な場合
  • 生活保護世帯、市町村民税非課税世帯の場合
  • 災害やその他の事情により、生活の状況が困窮していると認められる場合

特別養護老人ホームの入所難易度は?

全国で約37万人の待機者がいるといわれている特別養護老人ホーム。お住まいの地域によって倍率は異なりますが、多くの地域で入所待機者があふれているのが現状です。すぐに入所するのは非常に難しいといえるでしょう。

また、入所は申し込み順ではなく、寝たきりや認知症など、緊急性の高い方の入所が優先されます。そのため、入所までの期間は早くて数ヶ月、長い場合だと10年ほどかかることもあります。

実はまったく違います!有料老人ホームとの違い

特別養護老人ホームは、有料老人ホームは名称こそ似ていますが、経営主体や施設の目的など、実はまったく異なる性質を持った施設です。

  有料老人ホーム
(介護付・住宅型・健康型)
特別養護老人ホーム
経営主体 主に民間企業 地方公共団体・社会福祉法人
入所対象 概ね65歳以上の方で、自立の方から要支援・要介護の方まで可能 65歳以上の要介護3以上の方
費用の目安 月額約15万円~ 月額約5万円~
建物・居室 新築が多く、基本的には個室 築年数が古く、相部屋が多い
医療ケア 24時間看護職員の配置や、クリニック併設、レクリエーションなど、サービスの種類が豊富で充実 医療サービスは限定的で夜間の医療対応や常時医療対応は難しい

有料老人ホームってどんな施設?

有料老人ホームは、主に民間企業が運営している高齢者施設です。利用目的に応じて、大きく分けて次の3つのタイプに分けられます。

①介護付

介護付き有料老人ホームは、その名のとおり、介護サービスの提供を受けることができる高齢者向け居住施設です。入所している方が介護が必要な状態になった場合、施設が提供する介護サービスを利用して居住を続けることができます。

②住宅型

住宅型有料老人ホームは、介護が必要な人はもちろん、介護が必要ない方の受け入れも行っている高齢者向け居住施設です。介護が必要になった場合、訪問介護などの介護サービスを利用することで居住し続けることができます。

③健康型

健康型有料老人ホームは、比較的、自立していて元気な方を対象とした高齢者向け居住施設です。食事の提供などのサービスはありますが、「健康」という名のとおり、介護を前提としていないため、介護が必要となる状態になった場合は、退去を求められるのが一般的です。

特養より入りやすくコストが高め

特別養護老人ホームと比較して、有料老人ホームは、費用が高い分、スムーズに入所できる施設です。設備も充実している施設が多く、レストランやシアタールームなど、まるで高級ホテルのような快適性を持つ施設もあります。

コストを抑えたい方におすすめ

特別養護老人ホームを選ぶメリットは、なんといっても月額のコストを抑えられるという点。経済的に有料老人ホームを選択するのが難しい方であっても入所しやすい施設ですので、待機してでも入りたいという方が後をたちません。また近年では、介護の質の向上に力を入れている施設も多く、有料老人ホームに引けを取らない設備をもつ施設も増えてきました。特別養護老人ホームへの入所を希望する場合、入所までに時間がかかることが少なくありません。できるかぎり早めの情報収集を行い、入所できるまでの期間をどのような介護サービスを利用するか、合わせて検討していきたいですね。