実は種類が豊富!快適な移動を叶える「福祉車両」

車いすのまま乗り込める介護車両
福祉車両は、身体が不自由な方でも運転や乗り降りができるように改良された特殊な車両のこと。いざというときのために知っておきたい、福祉車両の基礎知識や税金・助成金事情をレクチャーします。

目次

  1. 【1】福祉車両って?

  2. 【2】助成制度を設けている地域も。福祉車両をお得に乗る方法

  3. 【3】閉じこもりの防止にも。福祉車両の導入を検討してみよう

通院や買い物など、日常の移動に便利な自動車。地域によっては、欠かせない移動手段のひとつですよね。自動車のなかには、車いすごと乗車できたり、身体が不自由な方でも運転できるよう配慮された「福祉車両」と呼ばれるものがあります。もしも自分や身近な方に介護が必要となったときに役に立つ、福祉車両の種類や助成制度・税金などについて解説します。

福祉車両って?

福祉車両

「福祉車両」と聞くと、介護サービスの車両等で見かけるリフト付きのミニバンやワンボックスカー、リフト付きの路線バスなど、“車いすごと乗れる自動車”を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

福祉車両とは、身体の不自由な方でも乗り降りや運転が簡単にできるように作られた自動車を指す言葉です。

福祉車両は大きくわけて「自操式」と「介護式」の2種類

福祉車両は、手足の不自由な方が自分で運転することができるように運転補助装置が付いた“自操式”と、身体の不自由な方が乗り降りしやすいように設計された“介護式”とに大きく分けることができます。

自操式の福祉車両は、手動装置やアクセルが左足にあるタイプ、足動装置に改造されているタイプがあります。
介護式には車いすごと乗ることができる“車いす移動車”と、シートが回転する“回転シート車”、回転したシートがスライドする“回転スライドシート車”、回転したシートが昇り降りする“昇降シート車”とがあります。

それぞれのタイプについて、詳しくご紹介します。

車いす移動車

デイサービスセンターなど、介護施設の送迎車としてよく見かけるのがこのタイプです。スロープやリフトを使用することで、後部ドアから車いすごと車に乗り入れることができるようになっています。

リフトは電動式になっていますが、スロープの設置は電動式のものと手動式のものがあります。車いす移動車は、ワンボックスカーなど、車高の高い車に多いタイプです。

回転シート車

助手席や2列目の後部座席がドアの方へ回転して、車の座席に乗り降りしやすくなっているタイプです。車いすから座席へ移乗しやすいよう配慮されており、回転は手動で行うものを、電動のものがあります。回転する角度は、車種によって異なります。

回転スライドシート車

助手席や2列目の後部座席がドアの方へ回転し、外側にスライドするようになっているタイプです。

昇降シート車

助手席や2列目の後部座席がドアの方へ回転し、外側にスライドした後、乗り降りしやすい低い位置まで下げることができるタイプです。回転する角度やスライドする間隔は、車種によって異なります。

このほか、リフト付きバスやノンステップバスなどの車いすごと乗りこむことができるバスといった公共機関向けの福祉車両や、電動の3輪車や4輪車、車いすやストレッチャーごと乗ることができる医療施設・福祉施設向けの福祉車両など、福祉車両にはさまざまなタイプがあります。

福祉車両選びのポイント

身体が不自由な方の外出をサポートしてくれる心強い福祉車両。ですが、さまざまな種類があるので、どれを選べばいいのか分らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。福祉車両の選び方をレクチャーします。

まずは乗降環境をチェックしよう

福祉車両を選ぶまえに、まず考えておきたいのが“乗り降りするスペース”です。福祉車両に乗り込むときには、スロープやリフトのスペースが必要になります。そのため、一般家庭の車庫では、十分なスペースがなく乗り降りできない…といった事態に陥るケースがあるのです。

福祉車両の導入を検討するときは、乗り降りができそうなポイントを実際にチェックしておく必要があります。乗り降りする場所に段差や傾斜はないか、安全に乗り降りできるどうかなど、事前に環境を確認しておきましょう。

利用方法を考えてみよう

「車いすのまま乗りたい」「車いすから降りて、座席に座りたい」「自分で運転したい」など、どんなふうに利用するかによって選ぶべき車の種類は変わってきます。また、介護する側の年齢や性別、体力、介護される側の年齢、性別なども、車を選ぶときの重要なポイントとなります。

福祉車両は、軽自動車からワゴンタイプまで、さまざまなタイプのものが販売されています。障がいのある方本人が日常の移動に使用するものなのか、家族みんなで乗るためのものなのか、使用目的によって、車両の大きさも変わります。

福祉車両の購入を検討するときは、どのような使い方をしたいのか合わせて考えるとスムーズです。

車いすごと乗る?それとも回転シート?

車いすを利用している方が福祉車両の導入を考える場合、車いすごと乗車できるタイプか、移乗が必要な回転シートを選ぶか迷ってしまうのではないでしょうか。

まずは、車いすごと乗り入れるタイプですが、普段使用している車いすの大きさに車両のスペースが合っているか事前に確認しておく必要があります。「安全に乗れるスロープの角度かどうか」や、「スロープやリフトの耐荷重の範囲におさまっているかどうか」、「固定装置に合う車いすかどうか」なども確認しておきたいところです。

一方で、移乗が必要なシートでは、シートの回転する角度や耐荷重等に注意が必要です。

大きな買い物となりますので、安全性だけではなく利便性にも注目しつつ、使いやすい一台を手に入れたいですね。

助成制度を設けている地域も。福祉車両をお得に乗る方法

助成制度

リフトやスロープといった設備を備えている分、一般の車両と比べると高価な福祉車両。家庭に導入するにはハードルが高いのでは?と思ってしまうかもしれませんが、購入資金の貸付制度や助成制度が設けられています。

貸付・助成制度

  • 福祉資金(障害者自動車購入資金)
    身体に障がいがある方が、通院・通学、日常生活、社会参加のために使用する自動車購入資金の一部を貸与するというものです。購入資金の貸付を受けたい場合は、民生委員を通じて都道府県もしくは市区町村の社会福祉協議会に申し込みを行います。地域によって貸付金額や条件が異なるため、導入を検討するときはぜひ事前に制度の確認をしておきましょう。
  • 車両改造費の助成
    身体に障がいがある方が標準仕様の車を福祉車両に改造する場合、改造にかかる費用の一部を助成する制度を設けている地域もあります。実施状況や条件は地域によって異なりますので、こちらも福祉窓口に相談しておくとスムーズです。

 税制面での優遇制度

身体障がいのある方が運転するための運転補助装置が付けられている車や、車いすのまま乗り入れることができるように改造した福祉車両を購入する場合、譲渡・貸与・修理にかかる費用の消費税部分が非課税となります。

また生計をともにする家族が、障がいを持つ方のために利用する車両についても、税の減免制度があります。お住いの地域によって、適用基準や条件が異なるため、詳しくは福祉担当窓口や市区町村の役場・税事務所に問い合わせてみましょう。

有料道路料金の割引

障がいのある方が運転または同乗している場合、身体障害者手帳や療育手帳を料金所で提示することで、全国の有料道路を割引価格で利用することができます。ただし、事前に福祉事務所などで、割引の対象であるということを身体障害者手帳または療育手帳に記載してもらう必要があります。

また、ETCを利用する場合は、福祉事務所などで記載してもらう手続きの他に、ETC利用対象者証明書を発行してもらい、発行してもらったETC利用対象者証明書を有料道路ETC割引登録係に郵送して利用登録をすれば完了です。申請するときは車検証やETCカードが必要となります。

閉じこもりの防止にも。福祉車両の導入を検討してみよう

障がいなどがきっかけで身体が不自由になると、外出の機会が減り、閉じこもりの原因になることはよくあるもの。そんなとき、福祉車両があれば、外出を気軽に楽しむことができるようになりますね。福祉車両が必要になったときは、助成制度や減免制度を上手に活用しましょう。

介護ぷらす

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