残りの人生を有意義に。終活での財産整理の大切さ

みなさんは自分の家族と「親の死」について話したことがありますか?やはり、誰もが避けたい話題ではありますが、同時に避けてはいけない話題です。今回は「終活」の中でも特に財産に関することを中心にお話ししたいと思います。

目次

  1. 【1】そもそもなぜ「終活」?

  2. 【2】終活で行う「身の回りの整理」とは

  3. 【3】知っておきたい「遺言書」のこと

  4. 【4】終活について話し合う機会を設けてみよう

「終活」という言葉はここ数年のうちに、知らない人はいないというくらい世間に知れ渡った言葉となりました。2012年には新語・流行語大賞でトップテンに選出され、2015年には一般社団法人 終活ジャパン協会という団体が設立されるなど、世間の注目は年々大きくなっています。

「終活」、特に死後の財産をどのようにするかは本人だけではなく、その家族にとっても大変重要な問題です。これを怠ったことで、家族の仲が引き裂かれてしまったというケースも、残念ながら少なからずあるのが現実です。今回は、そんな「終活」と、そして遺産相続について一緒に考えていきましょう。

そもそもなぜ「終活」?

お葬式や遺産相続の問題は、最近始まった話ではありません。ではなぜ今、「終活」が注目を集めているのでしょうか?

「終活」が注目を集める背景

終活に注目が集まっている理由として挙げられるのが少子高齢化です。戦後の経済成長を支えた団塊の世代の多くの人がこれから介護を必要とし、やがては鬼籍に入ります。

戦前のような大家族であれば、子どもが大人数いるため介護や葬儀の負担を分散することができましたが、現在では一人っ子も珍しくなく、子ども一人あたりの負担が大きくなっているというのが実情です。

「自分が亡くなったあと、わが子に負担をかけたくない…」という願いから今、終活に取り組む人が増えているのです。

終活のメリット

終活のメリットは、子どもたちの負担の軽減だけではありません。

まず、あらかじめ遺言書を用意し、「誰に何を渡すのか」を明確にしておくことで、遺産相続によるトラブルを防ぐことができます。家族の幸せのために蓄えてきた財産が原因で、家族の仲が引き裂かれてしまったという話を聞くといたたまれない気持ちになりますよね。

さらに、「死」という人生のゴールを設定することにより、本人にとっても残りの老後生活をより充実したものにすることができます。自分の人生を振り返り、これまでの軌跡、やり残したことなどを見ることで、自分の人生を客観的に見つめなおすいい機会になるのではないでしょうか。

終活で行う「身の回りの整理」とは

では、具体的に終活を行う際には何を行えばいいのでしょうか?まずは身の回りの物や財産の整理の仕方についてご紹介します。

生前整理

生前整理とは生きている間に、自分の所有物を整理・処分しておくこと。亡くなった後に、たくさんの物に囲まれて子どもたちが途方にくれたり、捨てていいものかいけないものかという判断に迷ったり…とさまざまな事態が考えられます。

また、賃貸住宅に住んでいる場合、死亡後すぐに退去しなければならず、事前にある程度の整理をしておくことが大切となります。生前整理は一人で行うのではなく、家族と一緒に行うようにしましょう。家族と一緒に行うことで、どんな財産があるのかを把握・共有することができるうえ、本人にはあまり価値のない物が家族にとっては大きな意味を持つ物だったりしたときに、それを誤って捨ててしまうということも防ぐことができます。

「いらない物は捨てる」というのは大前提ですが、あれもこれも捨ててしまうと、土地の権利書など大事な書類も間違って捨ててしまうかもしれませんので注意が必要です。
生前整理を始める際はまず、「絶対に捨ててはいけない物」のリストを作成し、焦らず急がずゆっくりとじっくり考えた上で、捨てる物と捨てない物の選別を行うようにしましょう。

エンディングノート

生前整理をすることによって、何をどれくらい所有しているかなど、その人についていろいろ分かってくるのではないでしょうか。続いて、それらの事柄をまとめたエンディングノートを作成しましょう。携帯電話、保険契約、クレジットカード、銀行口座…。今の時代、わたしたちは自分でももういくつあるのかわからないほど、多くの契約を結んでいます。もし、その人が亡くなったとき、残された家族はそれらの解約手続きを行わなければなりません。その負担を少しでも軽くするのがエンディングノートです。

エンディングノートとは、本人がどのような保険に加入して、電話はどの会社と契約し、その他金融資産がどこにどれくらいあるかを一冊のノートにまとめることで、万が一の時、家族が手続きを行いやすくするためのものです。また、エンディングノートにはこのような契約関連の事柄の他にも、学生時代の友人や職場の友人など家族があまり知らない友人の連絡先を記載しておきます。交友関係を家族が把握できるようにしておくことで、自分の死をしかるべき人にスムーズに伝えることができるという使いかたもできますね。

エンディングノートに記入する内容に決まりはなく、どのようなことを書くかは個人の自由です。ただし、銀行の暗証番号やクレジットカード番号などあまりにも大事な情報を記載すると、ノートをなくしてしまったときに大きな問題となりますので注意が必要です。

知っておきたい「遺言書」のこと

エンディングノートをどれだけ綿密に書いてもそれに法的拘束力は一切ありません。法的拘束力を持つ内容について記すときは、法で定められた「遺言書」が必要です。遺言書の書き方はエンディングノートと違い、法律できっちり定められているので、しっかりと見ていきましょう。

遺言書の種類

遺言書には3つの形式があります。本人が自筆で書く「自筆証書遺言」、公証役場の公証人が作成する「公正証書遺言」、そして本人が直筆で署名をした遺言書を、公証役場の公証人の前で封書する「秘密証書遺言」の3種類があります。

最も確実な「公正証書遺言」

このうち、最も確実なのは公証人に作成してもらう「公正証書遺言」。その道のプロが作る書類なので、不備で無効になることはまずありません。ですが、公証役場まで出向く手間がかかりますし、遺言の目的物の価値によってはそれなりの金額の手数料が発生します。また、遺言の内容を、赤の他人である公証人に知られてしまうことを嫌がる人も少なくありません。

すぐに作れる「自筆証書遺言」

その反面、一番手っ取り早くできるのは自分で書く「自筆証書遺言」です。自筆証書遺言には絶対に記載しなければいけない事柄がいくつかあります。まずは本人が直筆で書くこと。パソコンで書いたものは遺言書としての効力は持ちません。また、体力的な問題で本人が書くことが難しい場合でも、配偶者や子どもが手を添えて書くのは避けましょう。本人と筆跡が異なるため、後々もめる原因となります。

次に日付。年配の方のなかには、日付を「〇年△月吉日」という形で書く習慣がある方もいますが、遺言書の場合は日付まで記載しないと無効になります。
遺言は一度書いたとしても、新たに書き直して内容を変更することができます。その際には、死亡日に最も近い日付の物が優先されるため、日付をしっかりと明記しておくことが大切です。
そして、最後に押印。法律で特に指定されているわけではありませんが、間違いなく本人が書いたものであると証明するためには実印でそれを証明する印鑑証明書と一緒に保管しておくと安全です。

内容を伏せておきたい方に。「秘密証書遺言」

秘密証書遺言とは、公証人に遺言書の存在のみを証明してもらうというもの。自筆証書遺言のように、遺言が本物かどうかで揉めずに済みますし、公正証書遺言のように内容が他人に知られることがないというメリットがあります。

終活について話し合う機会を設けてみよう

遺産相続は肉親が亡くなったときに、大きな争いの種となる可能性があるものです。「私は大した財産はないから大丈夫」と思っている方でも、いろいろな物を足し合わせると思いのほかたくさんあった…なんてケースもしばしば。もちろん、元気な方の前で、その方が亡くなったときの話をするというのは少しはばかられるように感じるかもしれません。

ですが、終活は、元気で判断能力のあるうちに、最期のあり方を考える機会。決して悪いことではありません。必要なことです。

「死」というものはどれだけ目を背けても万人に必ず訪れるもの。しかもそれが、自分の親ということであれば、自分より先に亡くなってしまうのは自然の摂理です。終活はそんな現実としっかりと向き合うことで、現実を存分に楽しむ下準備といえるのではないでしょうか。

 

介護ぷらす

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