飲みすぎ注意!アルコール依存症の恐怖

アルコール依存症
お酒は適量を守って飲めば、とても楽しいものです。しかし、その適量を超えて飲みすぎてしまうことが常態化してしまうと、最悪の場合“アルコール依存症”になってしまいます。今回は、そのアルコール依存症について詳しくご説明します。

目次

  1. 【1】アルコール依存症って?

  2. 【2】そもそも「飲みすぎ」ってどれぐらい?

  3. 【3】アルコール依存症になるとどうなる?

  4. 【4】アルコール依存症かどうかを判断する方法

  5. 【5】アルコール依存症の治療方法

  6. 【6】アルコール依存症にならないために

  7. 【7】まとめ

アルコール依存症って?

アルコール依存症は、何か特別な病気というものではなく、お酒を飲む習慣のある人なら男女を問わず誰でもなる可能性のある病気です。
アルコール依存症の患者数は、現在日本国内で80万人以上と言われていますが、予備軍も含めるとその数は440万人にものぼると推定されています。
しかし、その中でも依存症の専門治療を受けているのは数万人に過ぎません。そのことから、まだまだアルコール依存症に対する正しい知識が普及されていないことが分かりますよね。

アルコール依存症は、毎日大量のお酒を長期にわたって飲み続けることで、お酒がないといてもたってもいられなくなる状態になってしまうことを指しています。
始めは普通にお酒を飲んでいるつもりでも、少しずつ量が増え、お酒の量が増えることでアルコールに対する耐性がつき、さらに飲む量が増えていく、という負の連鎖が起こってしまうのです。

次第に、お酒を飲まないとイライラするようになり、昼夜・場所を問わずにお酒を飲み続けるようになってしまいます。
アルコール依存症になってしまうと、生涯断酒を続けていかなくてはいけなくなることに加え、心身の両方に多大な影響を及ぼします。

そもそも「飲みすぎ」ってどれぐらい?

厚生労働省は、21世紀における国民健康づくりに関する「健康日本21」の中で、「節度ある適度な飲酒」「多量飲酒」を明確に定義しています。アルコール依存症になる可能性が低いと言われる「節度ある適度な飲酒」は、壮年男性の場合純アルコール量換算で1日20g以下とされており、これは1日ビール500ml(日本酒1合弱、25度焼酎なら100ml、ワイン2杯程度)に相当します。一方、「多量飲酒」は酒に含まれる純アルコール量でだいたいビール中ビン3本、日本酒3合弱、25度焼酎300ml、ワイン6杯程度に相当します。

この量はお酒に強いと言われる人ならば楽しく飲むことのできる量だと思いますが、それが毎日続いてしまうとアルコール依存症になってしまう可能性がぐっと高くなります。

まずは自分でしっかりと酒量をコントロールした上で、1週間のうちにしっかりと休肝日を設けることも重要です。

では、そんなアルコール依存症になってしまうとどのような症状がでるのか、次の項で詳しく説明していきます。

アルコール依存症になるとどうなる?

アルコール依存症になると、精神的にも身体的にも様々な症状がでてきます。

精神依存

お酒に含まれるアルコールには「依存性」があります。お酒を飲み続けていくうちに、「もっと飲みたい」といったような欲求がでてきます。そこで、お酒を飲み続けるために様々な努力をするのですが、そのことを「探索行動」と言います。この行動が起こってしまうと、すでにアルコールに精神的に依存してしまっている状態であると言えます。

初期の精神依存では、言い訳をしたり勝手な理由をつけて飲酒をするといったことが見られます。これが高度になると、仕事中など飲んではいけない状況で隠れてお酒を飲んだり、暴言や暴行といった行動を起こすようになります。それらは、精神依存が高度になってしまった時の探索行動なので注意が必要です。

身体依存

アルコールには脳の神経活動を抑える働き(抑制効果)もあります。アルコール依存症の方はお酒を飲んでいる時間が長く、それに比例して脳の活動が抑制される時間も長くなります。そのような状態になっている人が断酒を始めると、アルコールの抑制効果に対抗していた神経の過剰活動が現れます。

症状としては不安感やイラつき、嘔気・嘔吐、動悸などといったものがあります。これらは早期離脱症状と呼ばれ、断酒をして数時間で現れ始めるのが特徴です。一方、断酒をして2~3日経って現れるものを後期離脱症状と呼び、見えるはずのないものが見える“幻視”と呼ばれる症状や、今がいつなのか・どこにいるのかが分からなくなる“見当識障害”手の震え、興奮などが見られることがあります。具体的に、それぞれの離脱症状にどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

早期離脱症状

・睡眠障害、寝汗

・嘔気・嘔吐

・イライラする、落ち着きがない

・血圧上昇

・動悸

・軽度の幻覚、幻聴

後期離脱症状

・激しい手足の震え

・幻視

・見当識障害

・著しい発汗や発熱

・強い不安感、恐怖感

このような離脱症状があると、それをごまかすためにさらに飲酒量が増えるといった負の連鎖が起きてしまうことがよくあります。

アルコール依存症かどうかを判断する方法

アルコール依存症かどうかを判断するために、いくつかの検査方法があります。中には自身でチェックすることができるものもあるので、いくつかご紹介します。

 KAST(久里浜式アルコール症スクリーニングテスト)

1978年に、久里浜医療センターによって作られた日本人向けのアルコール依存症のスクリーニングテストです。2003年に改定されました。14項目の質問からなり、最近の6ヵ月について基本的に「はい」か「いいえ」で回答するようになっています。それぞれの回答にポイントが設定されていて、合計が2点以上だと「アルコール依存症の疑いがある」と判定します。

AUDIT

AUDITは、1990年代初めに世界保健機関(WHO)がスポンサーになり作成されたスクリーニングテストです。このテストは、6 カ国(ノルウェー、オーストラリア、ケニア、ブルガリア、メキシコ、アメリカ)の調査研究に基づいて作成され、人種や性別による差が少ないと言われています。

この試験の対象者は、アルコール依存症までには至っていないものの、「危険な飲酒」や「有害な使用」のレベルにある人となっています。過去 1 年間について、 10 項目の質問に答える形になっていて、基準値は国や地域によって異なっています。

CAGE

CAGEは、4項目の質問からなるスクリーニングテストで、質問内容を表す4つの単語の頭文字をとりCAGE(Cut down・Annoyed by criticism・Guilty feeling・Eye-opener)と呼ばれています。4項目のうち、1項目でもあてはまればアルコール問題の可能性があり、これまでの生涯で2項目以上があてはまればスクリーニング上はアルコール依存症者とされます。しかし、これはあくまでもスクリーニングの結果であるため、アルコール依存症とはっきり診断するものではありません

アルコール依存症

アルコール依存症の治療方法

アルコール依存症の治療は、お酒を減らすことではなく、一滴も飲まないことがゴールとして設定されています。それは、一度やめることが出来ても少しでも再びアルコールを体内に入れてしまうことで再び依存症になってしまう恐れがあるからなのです。そのため、徹底的な断酒が必要となるのですが、それには非常に強い意志が必要となります。

まず、アルコール依存症の治療には入院治療と通院治療の2つがあります。アルコールによって全身状態が悪くなっている場合や自殺の可能性がある場合などは、基本的に入院治療が第一選択となります。

通院治療の場合は、薬物療法を中心に断酒会AA(アルコホーリクス・アノニマス=さまざまな職業・社会層に属している人々が、アルコールを飲まない生き方を手にし、それを続けていくために自由意志で参加している世界的な団体)といったものに参加をして同じ境遇の人と共に治療を行っていく方法もあります。

アルコール依存症の治療にはいくつかの段階があり、まず、断酒をしながら身体的な治療を行った上で、体調が落ち着いてくると精神療法を行っていきます。その後、レクリエーションなどに参加して退院後の日常生活を送るための治療を行います。そして、退院後の治療をしっかりと継続していくことができるように先ほども述べたような断酒会などの自助グループに参加したり、専門の治療施設に通院したりと、様々な支えを受けながら断酒を続けていきます。

アルコール依存症にならないために

これまで説明した通り、アルコール依存症の症状や治療は辛いものが多いです。そのため、まずはアルコール依存症にならないように気を付けることが重要です。

アルコール依存症にならないために重要なことは、

1.アルコール依存症に関する正しい知識をもつ

2.深酒をせずに、適量の飲酒を心がける

3.休肝日を週2日以上つくる

この3つを常に気にしながらお酒を飲むだけでも、アルコール依存症になるリスクを減らすことができます。

最初の方に挙げた、「節度ある適度な飲酒(ビール500ml、日本酒1合弱、25度焼酎なら100ml、ワイン2杯程度)」の量であれば、翌日まで持ち越すことなく、十分体内でアルコールを分解することができると言われています。お酒を飲むときは、上の量を超えないように飲むことができるといいですね。

まとめ

アルコール依存症になってしまうと、自分の心身だけでなく、社会的にも様々な問題が起こってしまいます。また、家族や会社の方など周りの方まで巻き込んでしまう可能性もあるのです。そのため、アルコール依存症に関する正しい知識をつけ、少しでも危ないと感じた場合は早期発見・早期治療を行っていくことが重要です。

とはいえ、お酒の席は適量を守ればとても楽しいものなので、自分でも意識しながら正しい飲酒をしていきましょうね。

介護ぷらす

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