介護保険ってどんなもの?

介護保険
介護保険制度は介護が必要となった高齢者を社会全体で支える制度。どんな人がどのようなサービスを利用でき、利用するにはどのような手続きが必要なのか等、介護保険制度について詳しくご紹介します。

目次

  1. 【1】介護保険とは?

  2. 【2】介護保険の対象者は?

  3. 【3】介護保険ではこんなサービスが受けられる!

  4. 【4】介護サービスに欠かせない要介護認定とは?

  5. 【5】介護サービスを受けるには?

  6. 【6】高齢者の生活を社会全体でサポート

高齢者の割合が25%を超え、4人に1人が高齢者という日本。高齢化が進む中、1人暮らしの高齢者が増えたり、女性の社会進出が進むなど、さまざまな理由により自宅での“介護”が難しくなっています。

そこで始まったのが“介護保険制度”です。

“介護保険制度”は、高齢者が適切なサービスを受けることができ、高齢者の介護や治療にかかる費用を社会全体で支えることを目的とした制度です。「耳にしたことはあるけれど詳しくは知らない」という方も多い介護保険制度。いったいどのような制度なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

介護保険とは?

国民全員が加入し、病気になったときに安心の制度といえば“健康保険”ですが、健康保険と同じように、介護が必要となった高齢者を社会全体で支える仕組みとして2000年に施行された制度が“介護保険制度”です。

介護保険は、40歳以上になった国民全員が加入し、介護が必要となった高齢者が適切なサービスを受けて自立した生活を送ることができるように支援する仕組みとなっています。高齢者を支える制度として、2000年以前には老人福祉制度がありましたが、この制度は市町村がサービスの内容等を決める制度であったため、利用者が受けるサービスを選ぶことはできませんでした。

また、介護を必要とする期間が長期化していくことで、制度の限界が訪れていたため、社会全体で介護問題を支えるための制度として“介護保険制度”が作られました。介護保険制度は、介護される側が、受けるサービスを自分で選択することができ、介護が必要となっても住み慣れた地域で生活できるように支える制度となっています。

介護保険の対象者は?

40歳以上のすべての人が加入し、保険料を納付している介護保険。被保険者は、年齢などによって第1号被保険者と第2号被保険者とに分けられます。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

1号被保険者

第1号被保険者に該当するのは、65歳以上の方。介護保険料は各市町村によって異なり、収入が少ない方は減免されることも。年金が年額18万円以上の方は年金から天引きされ、年額18万円未満の方は納付書で保険料を納付します。

寝たきりや認知症など、常に介護が必要な“要介護状態”と認定された方や、家事などの日常生活に支援が必要な“要支援状態”と認定された方すべてがサービスを受けることができます。

2号被保険者

第2号被保険者に該当するのは、40歳以上65歳未満で、医療保険に加入している方。介護保険料は、医療保険の保険料と一括で徴収されますが、保険料の金額は所得によって異なります。

特定疾病によって介護や支援が必要と認定された場合にサービスを受けることができ、現在16種類の病気が特定疾病に認定されています。認定されている特定疾病は下記の通りとなっています。

  1. 末期がん
  2. 筋萎縮性側索硬化症
  3. 後縦靭帯骨化症
  4. 関節リウマチ
  5. 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
  6. 閉塞性動脈硬化症
  7. 慢性閉塞性肺疾患
  8. 脳血管疾患
  9. 糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  10. 脊柱管狭窄症
  11. 脊髄小脳変性症
  12. 骨折を伴う骨粗しょう症
  13. 初老期における認知症
  14. 進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
  15. 早老症
  16. 多系統萎縮症

介護保険ではこんなサービスが受けられる!

介護保険で受けることができるサービスは、大きく分けると“居宅サービス”“施設サービス”“地域密着型サービス”の3つ。

それぞれどのようなサービスとなっているのか、詳しく解説します。

居宅サービス

居宅サービスとは、要支援・要介護の利用者が、自宅に住んだままで受けることができる介護サービスのこと。居宅サービスは、さらに“訪問サービス”“通所サービス”“短期入所サービス”“その他のサービス”に分けることができます。

・訪問サービス

訪問サービスには、食事や入浴といった身体介護をはじめ、掃除や洗濯といった生活の援助などを行う訪問介護の他、主治医の指示に基づいて看護師が訪問する訪問看護、理学療法士等のリハビリスタッフが訪問してリハビリを行う訪問リハビリテーションなどがあります。

・通所サービス

通所サービスには、デイサービスとデイケアとがあります。

デイサービスは、日中、利用者が施設に通って食事や入浴といった日常生活の介護を受けたり、機能訓練やレクレーションを行うもので、デイケアは、病状が安定している利用者が施設に通ってリハビリテーションを受けるサービスです。

・短期入所サービス

短期入所サービスとは、ショートステイといわれ、普段は自宅で生活している利用者が、施設に一定の期間入所して、健康管理やリハビリ等を受けることができるサービスのこと。介護する家族の負担を軽減するという目的もあります。

その他のサービス

その他のサービスとして、住宅の改修や福祉用具の販売・貸与といったことを行うサービスがあげられます。

施設サービス

施設サービスは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設・指定介護療養型医療施設に入所している高齢者が受けることができる介護サービスのこと。特別養護老人ホームは、日常生活における介護を受けながら生活することができる施設ですが、医療的なケアが必要な場合、入居できないことも。人気があるため、入所待ちの方も多い施設となっています。

介護老人保健施設は、自宅に帰ることを目標に、食事や排せつなどの介護や看護・リハビリテーションを受けることができる施設です。原則として長期の入所はできません。

指定介護療養型医療施設は、介護サービスと共に医療サービスを必要とする高齢者が、長期にわたってサービスを受けることができる施設です。病院内に併設されていて医療面でのサービスが充実していますが、“社会的入院”を避けるため、徐々に減らされる傾向にあります。

地域密着型サービス

地域密着型サービスは、要支援・要介護の高齢者が、住み慣れた地域で生活しながら受けることができる介護サービスのことです。市町村から指定された事業者が提供する介護サービスで、2006年からスタートしました。地域密着型のグループホームや、介護職員による巡回サービス・認知症の方を対象としたサービス等、さまざまなサービスが提供されています。

介護保険

介護サービスに欠かせない要介護認定とは?

介護サービスを受けたい!という場合、必要なのが介護認定を受けること。介護認定を受ける流れをチェックしましょう。

まず最初にするのが、市町村の窓口で申請すること。申請後、市町村の職員又は介護支援専門員が家庭等に訪問し、心身の状態を調査する“訪問調査”が行われます。この訪問調査での結果と、医師の意見書を元に、介護認定審査会でどのくらい介護が必要なのかが認定されます。

介護認定は、要支援1・要支援2・要介護1・要介護2・要介護3・要介護4・要介護5の7段階。それぞれの区分は、下記のようになります。

要支援1 日常生活のほとんどは自分で行うことができるが、一部手助けを必要とする状態。
要支援2 要支援1の状態より能力が低下し、日常生活での支援や介護が少し必要とされる状態。
要介護1 ・身だしなみや掃除など、身の回りの世話に見守りや手助けが必要。

・立ち上がりや歩行等の際に支えを必要とすることがある。

・食事や排せつは、ほぼ一人でできるが、問題行動や理解の低下がみられることもある。

要介護2 日常生活の中で、部分的な介護が必要な状態。

・身だしなみや掃除など、身の回りの世話に見守りや手助けが必要。

・立ち上がりや歩行時に支えが必要。

・食事や排せつに見守りや介護が必要。

要介護3 日常生活の中で、中等度の介護が必要な状態。

・身だしなみや掃除など、身の回りの世話が自分でできない。

・立ち上がりが自分でできない。

・歩行が自分でできないことがある。

・排泄が一人でできない。

・問題行動や理解の低下がみられることがある。

要介護4 介護なしで日常生活を送ることが困難な状態。

・身だしなみや掃除など、身の回りの世話がほとんどできない。

・一人で歩行できない。

・排泄ができない。

・問題行動が多く、全般的な理解の低下がみられる。

要介護5 介護なしでは日常生活を送れない状態。

・身だしなみや掃除など、身の回りの世話がほとんどできない。

・立ち上がりや歩行がほとんどできない。

・食事や排せつがほとんどできない。

・問題行動が多く、全般的な理解の低下がみられる。

介護サービスを受けるには?

介護認定を受けたら介護サービスを受けることができるようになりますが、「介護保険を利用して介護サービスを受けたい!」という時に必要なのが利用申請。申請すると、ケアマネジャーが利用者1人1人に合わせて、利用する介護サービスの種類や頻度を決めた“ケアプラン”を作成します。このケアプランに基づいて、介護サービスが開始されます。

介護サービスは、食事や掃除・入浴等さまざま。負担する費用は加入者の収入によって異なり、1割または2割の自己負担となっています。介護度によって受けられるサービスの限度額が決まっていて、この限度額を超えてサービスを受ける場合は、全額自己負担となります。

高齢者の生活を社会全体でサポート

高齢化社会が進み、介護が必要な高齢者も多くなっています。社会全体で介護が必要な高齢者を支える制度である介護保険制度。1人1人の状態に応じて適切なサービスを受けることができるので、ぜひ利用していきたいですね。

介護ぷらす

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