今、求められている在宅ケア!“訪問看護”と“訪問介護”の違いとは?

訪問介護と訪問看護
“高齢社会”といわれる現代日本において、年々在宅ケアの需要は高まってきています。その中でも重要視されているのが訪問看護と訪問介護。一見似ているようにみえる2つの職業ですが、実際にはどのような違いがあるのでしょうか。

目次

  1. 【1】在宅ケアのメリットとデメリット

  2. 【2】訪問看護って?

  3. 【3】訪問介護って?

  4. 【4】よりよい在宅ライフに向けて

在宅ケアのメリットとデメリット

住み慣れた場所でケアを受けられるというメリット

利用者にとっての在宅ケアの一番のメリットは、住み慣れた環境でケアを受けることができるという点です。

病院での入院生活や施設入所は、いつでも近くに医療・介護スタッフがいるという安心感はありますが、一方でさまざまな制限や他の方との共同生活という、普段と違う慣れない環境を伴います。

しかし、自宅などの住み慣れた場所でケアを受けることで、より自分らしい生活をすることが可能です。

特に、認知症の方などは環境が変わることで混乱し、落ち着かなくなってしまうことなどがあるので、在宅ケアのほうが精神的に安定することが多くあります。

また、入院や施設入所よりも費用面の負担が少なくなります。

在宅ケアの場合は、訪問看護や訪問介護、デイサービス等の自分に必要なサービスを利用者自身や家族で選択し、利用することができます。

本人の介護状況や家族が介護にどれぐらい協力できるかによって、必要なものだけを利用するといいでしょう。

デメリットは、家族の負担が大きくなってしまうこと

一方で、在宅ケアのデメリットとして、家族の負担が大きくなってしまうという点が挙げられます。入院や施設入所の場合は看護師や介護士が日常的なケアを行いますが、在宅ケアの場合や家族が食事や服薬まで行わなければならない場合もあります。

在宅ケアにおいては家族の協力は必要不可欠であり、一人暮らしの高齢者などはどうしても在宅ケアの継続が難しくなってしまう可能性があります。

また、もう一つのデメリットとして、緊急時の対応が難しくなってしまうという点があります。

入院や施設入所ではスタッフも環境も整っているため、何かあった時にもすぐに対応することができますが、在宅では迅速な対応が難しくなります。

そのため、かかりつけ医とすぐに連携できる体制を作っておくことや、24時間利用できる訪問看護のサービスを利用するなどの工夫が必要です。

訪問看護って?

 

訪問介護と訪問看護

 

訪問看護は、主に看護師が医師の指示を受けて、訪問看護ステーションや病院から利用者の自宅を訪問し、病状の観察や療養上の世話、医療処置等を行います。

また、医師や医療機関と提携し、様々な在宅ケアサービスの提案を行います。

従事できる人は?

訪問看護を行うことができるのは、看護師を中心とした医療従事者です。

具体的には、訪問看護ステーションや病院に看護職員として在籍している看護師、保健師、助産師、准看護師が訪問します。また、ステーションによっては理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが訪問看護の枠で機能訓練を行うことがあります。

サービス内容は?

訪問看護のサービス内容は、病状の観察、医師の指示に基づく医療処置(点滴、吸引など)や検査、内服薬の管理、在宅酸素などの医療機器の管理、身体の正式や入浴・食事・排泄の介助といった療養上の世話などがあります。

他には、家族等の療養上の相談に乗ったり、ケア方法の指導や栄養・運動面においてのアドバイスなども手広く行います。

また、がんの末期などのターミナルケアにおいては、最後までその人らしい尊厳のある療養生活が送れるように、利用者や家族の支援をします。

訪問看護師の仕事は、在宅に移行してからだけではなく、移行前にもあります。

利用者が在宅に移行する際に、病院や施設などの医師・看護師と連携し、在宅療養の準備、在宅療養における指導等を行うことも訪問看護師の重要な仕事の一つです。

どこが提供しているの?

訪問看護のサービスを提供するのは、病院や診療所などの医療機関か、訪問看護ステーションです。

都道府県知事による指定を受けたステーションなどでは、介護保険や医療保険が適用されます。

訪問介護って?

訪問介護は、訪問介護員が、利用者の自宅を直接訪問し、身体的な介助をはじめ、家事面における生活援助を行うサービスです。

また、通院の外出移動サポートを行う事業所もあります。

従事できる人は?

訪問介護員(ホームヘルパー)と呼ばれるスタッフが、利用者の自宅を訪問します。

介護保険の訪問介護を提供する訪問介護員は、以下のいずれかの専門資格を持っている人です。

・介護福祉士

・介護職員初任者研修修了

・介護職員実務者研修修了

・訪問介護員養成研修1級課程・2級課程修了(※平成25年3月に研修終了)

・介護職員基礎研修修了(※平成25年3月に研修終了)

サービス内容は?

訪問介護のサービス内容は、主に食事や排せつ、入浴、移動などの利用者の身体に直接触れる身体的介助と、掃除や洗濯、買い物、調理といった日常生活のお手伝いをする生活援助です。

介護の専門的な技術を提供するだけでなく、利用者の希望に応じて家事なども行うことが訪問介護のひとつの特徴であるとも言えます。

一般的に、介護度の高い方は身体的介助を必要とされる方が多く、介護度の低い方は生活援助を必要とされる方が多い傾向があります。

また、援助を行うにあたり、ケアプランを作成し、利用者本人や家族の希望・目標、介護の実施方法などについてしっかりと話し合い、利用者の意向に沿った計画を立てる必要があります。

訪問介護のサービス内容、回数、時間はケアプランに基づいて提供されます。

どこが提供しているの?

訪問介護サービスを提供するのは、介護サービス事業所です。訪問看護の場合と同じく、都道府県知事による指定を受けた事業所では、介護保険が適用されます。

訪問看護と訪問介護の違い

訪問看護は医療処置や療養上の世話、訪問介護は身体的介助や生活援助を行います。

療養上の世話には排泄や入浴の介助も含まれており、それは訪問看護と訪問介護の両方で行うことができます。その点において、訪問看護と訪問介護の仕事内容は似ているといえるでしょう。

では、両者の仕事内容の一番の大きな違いは何なのでしょうか。それは、“医療行為を行うことができるか”という点です。

たとえば、点滴や注射、採血、カテーテル管理、床ずれの処置、人工呼吸器の管理、在宅酸素療法の管理等は医療行為となり、訪問介護では行うことができません。

しかし、痰の吸引と経管栄養(胃ろう・経鼻)については、平成24年4月から指定の研修を修了した介護職員に限り実施できるようになりました。

訪問看護は様々なケアを受けられる一方で、介護保険サービスの単位数が倍以上になるため、回数や時間が限られてきます。限られた回数の中で、目的や希望にあったサービスをしっかりと吟味して決定していく必要があります。

よりよい在宅ライフに向けて

名前も仕事内容も似ているように見える「訪問看護」と「訪問介護」ですが、内容とその役割について大きく異なる部分があることは分かりましたか?

違うところや共通点はありますが、「訪問看護」と「訪問介護」、どちらも、利用者が自宅で自分らしく生活していくためには欠かせないサービスであるといえるでしょう。

高齢者がどんどん増えていく中で、それらのサービスのニーズは今後ますます高まっていきそうです。

訪問看護と訪問介護の違いについてしっかりと理解し、その2つを使い分けていくことでよりよい在宅ライフを送っていきましょう。

介護ぷらす

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