介護者向けの福祉サービス、「レスパイトケア」とは

レスパイトケア
「レスパイトケア」という言葉をご存じですか?家族の負担となる在宅介護を一時的に請け負う、言わば「介護者向け」の福祉サービスです。今回はそんなレスパイトケアの目的やメリット、利用方法などについて解説していきます。

目次

  1. 【1】レスパイトケアとは

  2. 【2】レスパイトケアを利用するメリット

  3. 【3】介護保険で受けられる!日本のレスパイトケアサービス

  4. 【4】レスパイトケアを利用する際の問題って?

  5. 【5】「介護疲れ」で追い詰められる前に、しっかり休息を

レスパイトケアとは

レスパイトケアとは、休むタイミングのない在宅介護を代行し、家族に休息の機会を与えることで一日でも長く在宅介護を継続していけるよう支える制度です。

レスパイトケアの発祥はヨーロッパ。休息・息抜きといった意味を持つレスパイト(respite)が由来となっており、「介護をする家族にもリフレッシュの機会を与えたい」という考えから始まったようです。

レスパイトケアを利用するメリット

レスパイトケア

レスパイトケアを利用するメリットには次のようなものが挙げられます。

自分の時間を作り、リフレッシュできる

普段の介護生活から離れ、仕事や趣味といった活動に専念したり、自宅でほっと一息ついたり、旅行に出かけたり…といった自分の時間を作ることができます。介護はレスパイトケアサービスに一旦委ね、存分にリフレッシュしていきましょう。

在宅介護の継続につながる

ほぼ24時間体制で切れ目ないケアが必要な在宅介護。家族だけで続けていくのにも限界があります。レスパイトケアを活用することで、在宅介護を1日でも長く続けていくことができます。

介護のプロによるケアを受けられる

外部サービスを利用することで、介護のプロによる手厚いケアを要介護者に提供できます。介護士から普段のケアに関するアドバイスなどを受けることも可能でしょう。

介護保険で受けられる!日本のレスパイトケアサービス

レスパイトケア

日本でも近年広まりつつあるレスパイトケア。介護保険の範囲内でも、しっかりと介護者をカバーするサービスが存在します。

ショートステイ

実は、ショートステイは日本におけるレスパイトケアの先駆けとなったサービスなんです。

1976年に在宅介護を送る方をサポートするため始まったこのサービスは、要介護認定を受けた方を対象とした、1日~30日の短期入所サービスです。認知症や要介護度の高い高齢者も預けることができ、在宅介護を行う家族にとって大きな助けとなっています。

始まった当初は介護者の病気や事故、冠婚葬祭などのやむを得ない事情から利用するサービスでしたが、レスパイトケアの重要性が認知されてきた現在では、私的な理由でも活用できるようになっています。

デイサービス

日中の介護を事業所に託すデイサービスも、レスパイトケアの一種であるとされています。送迎付きで健康チェック・リハビリテーション・レクリエーション・入浴などといったケアをプロの元で受けられるサービスです。介護者はデイサービスの利用により、日中の時間を仕事や家事、趣味活動などに割けるようになります。

近年では利用時間の延長や宿泊対応、365日の営業といったサービスの拡充に取り組む事業所も増えてきているようです。

レスパイトケアを利用する際の問題って?

近年広まりを見せているものの、まだまだ浸透しきっていないレスパイトケア。私たちが利用していく上で考えられる問題には、どのようなものがあるのでしょうか?

介護を休むことへの抵抗感

責任感の強い方にありがちなのが、「余暇のために家族の介護を休むなんて…」というためらい。特に、旅行などのレジャーのためレスパイトケアを利用することに抵抗がある方が多いそうです。

ですが、このように普段誠実に介護に向き合っている方にこそ必要なのがレスパイトケア。ほぼ24時間体制でケアに徹することもある在宅介護には、必ず休養や息抜きが必要です。

サービス予約の難しさ

高齢者の増加に伴い、近年問題になっている介護施設や介護士の不足。レスパイトケアのためのサービスに関しても例外ではなく、特にショートステイは年末年始やお盆などの休暇シーズンになると、数ヶ月前から予約が埋まってしまうこともあるようです。

また、レスパイトケア自体の認知とともに、ニーズが高まってきているという事情もあります。利用の際はしっかりと計画を立てて前もった予約をしたり、新規施設や空床情報などにしっかりとアンテナを張っておきたいですね。

医療対応可能な施設の少なさ

レスパイトケアの一形態として、医療ケアが必要な方に対する「レスパイト入院」を実施している病院もあります。医療保険内が適用される短期入院サービスなのですが、レスパイト入院に取り組む病院は介護施設に比べると多くないのが実情。医療・介護の両面に対応できる施設を探すのは、やや難しいです。

 

以上のような問題もあり、いつでも利用できるレベルには達しきっていないレスパイトケア。しかし、介護にとって重要な要素である認識は十分広まってきているため、地域包括ケアシステムや地域医療システムの強化に期待したいところですね。

「介護疲れ」で追い詰められる前に、しっかり休息を

介護保険制度の導入移行、従来より負担が軽減された在宅介護。しかし、「介護をする側のケア」については金銭的なサポートだけでは賄えない心と体の問題があります。

介護疲れから、「介護殺人」「介護うつ」などの痛ましい事件も過去に発生しています。追い詰められてしまう前に、レスパイトケアを活用してしっかり休息をとっていきましょう。

介護ぷらす

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