ゴールドプラン・新ゴールドプラン、ゴールドプラン21!高齢者福祉を進めた施策

ゴールドプランから新ゴールドプラン、ゴールドプラン21へ
ゴールドプランは、健康で、生きがいのある老後を過ごすことができる社会を実現するために策定された「高齢者保健福祉推進十か年戦略」のことで、福祉3プランの一つです。
別名「高齢者保健福祉推進十か年戦略」とよばれ、高齢者の保健福祉分野において、達成したい整備目標を定めたもの。
厚生省(現在の厚生労働省)・大蔵省(現在の財務省)・自治省(現在の総務省)の3大臣の合意により、1989年に策定されました。

目次

  1. 【1】ゴールドプランが策定された背景とは?

  2. 【2】ゴールドプランの特徴とは?

  3. 【3】目標の見直しにより、新ゴールドプランへ

  4. 【4】新ゴールドプランの終了を受け、ゴールドプラン21へ

  5. 【5】6つの具体的な施策

    1. 1.介護サービス基盤の整備~「いつでもどこでも介護サービス」~

    2. 2.痴呆性高齢者支援対策の推進~「高齢者が尊厳を保ちながら暮らせる社会づくり」~

    3. 3.元気高齢者づくり対策の推進~「ヤング・オールド作戦」の推進~

    4. 4.地域生活支援体制の整備~「支え合うあたたかな地域づくり」~

    5. 5.利用者保護と信頼できる介護サービスの育成~「安心して選べるサービスづくり」~

    6. 6.高齢者の保健福祉を支える社会的基礎の確立~「保健福祉を支える基礎づくり」~

  6. 【6】ゴールドプランで施設から在宅へ

ゴールドプランが策定された背景とは?

高齢者の保健福祉分野における整備目標を定めた“ゴールドプラン”。

策定されることになった背景には、1986年に閣議決定された「長寿社会対策大綱」と、1988年に策定された「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え」があります。

「長寿社会対策大綱」は、以前の人生が50年が平均寿命の時に形成された既存の制度を見直し、近年の平均寿命が延びた人生80年にふさわしい経済社会システムに転換する」という趣旨で策定されたものです。

ゴールドプランは、住み慣れた地域社会で保健医療サービスと介護サービスが提供される体制を確立することを目的としています。

「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え」は、厚生省と労働省によって示されたものであり、2000年度を目標に、具体的な数値目標が提示されました。

ゴールドプランの特徴とは?

ゴールドプランは、厚生省・大蔵省・自治省の3省の大臣が高齢化社会において、国民が健康で生きがいのある生活を安心して送ることができる社会になることを目的として、合意に基づいて制定したプランです。

ホームヘルパーを10万人、デイサービスを1万カ所、ショートステイを5万床、在宅介護支援センターを1万カ所、特別養護老人ホームを24万床、老人保健施設を28床とするなど、1988年に発表された「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え」において示されたホームヘルパーやデイサービスなどの設置数を大幅に上回る目標値を設定しました。

また、「ねたきり老人ゼロ」により、脳卒中や骨折予防のための健康教室を開くなど、地域の体制の整備が図られたほか、保健師・看護師を計画的に配置することなどが目標として掲げられました。

このゴールドプランにより、1990年から1999年までの10年間に、6兆円以上の予算をかけて、在宅福祉の推進が進められました。

ゴールドプランを円滑に進めるため、翌年、1991年に老人福祉法が改定され、市町村において老人保健福祉計画の策定が義務づけられました。

目標の見直しにより、新ゴールドプランへ

ゴールドプランの効果で老人保健福祉分野の整備が進められましたが、市町村の老人保健福祉計画で、予測よりも高齢化の進行が急激に進んでいることを受け、ゴールドプランを見直した「新ゴールドプラン」を1994年に設定しました。

新ゴールドプランは別名、「高齢者保健福祉推進十か年戦略の見直し」と呼ばれ、利用者本位・自立支援、普遍主義、総合的サービスの提供、地域主義の4つを基本理念として掲げ、1999年度末までの整備目標として、ホームヘルパーを17万人、デイサービスセンターを1.7万カ所、ショートステイを6万人、特別養護老人ホームを29万床とするなど、“ゴールドプラン”を上回る数値目標が示されました。

また、新ゴールドプランでは老人訪問看護ステーションを5,000カ所設置することが新たな目標として掲げられました。

新ゴールドプランの終了を受け、ゴールドプラン21

ゴールドプランと新ゴールドプランによって、老人保健福祉計画の整備が進められていきましたが、1999年度で新ゴールドプランが終了すること、そして、2000年には日本の高齢化率が世界最高水準に到達することが予測されることなどを受け、1999年12月に「ゴールドプラン21」が策定されました。

“ゴールドプラン21”は、別名“今後5年間の高齢者保健福祉施策の方向”と呼ばれるもの。

高齢者保健福祉施策の充実を図るために、

  1. 活力ある高齢者像の構築
  2. 高齢者の尊厳の確保と自立支援
  3. 支え合う地域社会の形成
  4. 利用者から信頼される介護サービスの確立

という4つを基本的な目標に掲げ、明るく活力のある高齢社会を実現するとしています。

6つの具体的な施策

ゴールドプラン21では、目標を達成するために今後取り組む施策として6つ挙げています。

介護サービス基盤の整備~「いつでもどこでも介護サービス」~

高齢者が可能な限り、在宅で自立した生活を送ることができるように、在宅サービスや必要な施設の整備を進めるとしています。

具体的には、ホームヘルパー等の人材確保、特別養護老人ホームやデイサービスセンター、訪問看護ステーション等の介護施設の整備、寝たきり防止や要介護度の改善など、処遇環境の整備、ケアハウスや高齢者生活福祉センター等、生活支援のための施設の整備などを行うこととされました。

痴呆性高齢者支援対策の推進~「高齢者が尊厳を保ちながら暮らせる社会づくり」~

急速に増える痴呆性高齢者が穏やかな生活を送り、家族も安心して社会生活を送れるようにすることを目的に、グループホームの整備や介護サービスの充実を図ることを目標として掲げました。

具体的には、痴呆に関する非薬物療法の研究など、医学的研究の推進、グループホームの整備などによる介護サービスの充実、痴呆介護の専門職を養成し、質の高い介護サービスの実現、痴呆性高齢者や家族に対し、早期相談・診断・支援体制の構築、成年後見制度や地域福祉権利擁護事業を活用するなど、痴呆性高齢者の権利擁護体制を充実させることなどが挙げられます。

元気高齢者づくり対策の推進~「ヤング・オールド作戦」の推進~

生きがいを持って生活できるように、地域における介護予防事業や社会参加の支援を行います。

具体的には、高血圧・高脂血症・糖尿病・喫煙という4つを重点的に、個別健康教育を行うこと、身近な医療機関でリハビリテーションや介護予防などを受けられるようにすること、介護予防教室や地域住民に対する支援事業、高齢者の引きこもりを予防、老人クラブやシルバー人材センター事業などにより、高齢者の社会参加や就業を進めることとしています。

地域生活支援体制の整備~「支え合うあたたかな地域づくり」~

住民相互の支え合いを基本に、地域生活を支援するために福祉施策と住宅施策を行うこととしています。

具体的には、住民の連携体制や拠点の整備、配食や生活援助などのサービス、福祉用具を活用するなど、住宅改修に関する研修・相談、ボランティア活動の推進などを行います。

利用者保護と信頼できる介護サービスの育成~「安心して選べるサービスづくり」~

利用者が介護サービスを選択・利用できる環境をつくり、福祉用具の開発・普及を進めることとしています。

高齢者の保健福祉を支える社会的基礎の確立~「保健福祉を支える基礎づくり」~

福祉専門職の養成を進め、高齢者や障害者に優しい街づくりを進めることとしています。

具体的には、介護福祉士等の福祉専門職の養成、公共空間のバリアフリー化などが挙げられます。

(参考:http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1112/h1221-2_17.html

ゴールドプランで施設から在宅へ

高齢化社会を支えるために、“ゴールドプラン”“新ゴールドプラン”、“ゴールドプラン21”と、改定されながら高齢者保健福祉の施策が進められてきましたが、その特徴として、特別養護老人ホームなどの施設中心で行われていた介護が、在宅・地域を中心とするものになったことがあげられます。

高齢者の尊厳を守り、生き生きとした老後が過ごせるように、今後、さらなる福祉サービスの充実が求められているのではないでしょうか?

介護ぷらす

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