介護士を目指す外国人技能実習生をサポートする「eラーニング」とは?

介護技能実習生とeラーニング
2017年11月より外国人技能実習制度の対象職種に「介護」が追加されたことは、介護業界にとって大きなニュースでした。
海外に日本の介護技術を伝えつつ、人材不足解消も見込めるというメリットのある制度ですが、日本語の難しさが障壁となっているようです。そこで現在、技能実習生向けの日本語学習に「eラーニング」が導入され始めています。

目次

  1. 【1】外国人技能実習生とは

  2. 【2】eラーニングが介護の技能実習生にもたらすメリット!

  3. 【3】研修や教育に革命を起こす!? eラーニングの導入事例

  4. 【4】介護の技能実習生向けに特化したeラーニング「にほんごをまなぼう」

  5. 【5】日本語学習と現場の理解、2本の柱で海外人材の活躍を支えよう

外国人技能実習生とは

外国人技能実習生とは、外国人の方々に働きながら日本の技術を習得してもらう目的で創設された制度です。

従来は農業や漁業、製造業などが対象でしたが、2017年からは「介護」がサービス業で初の対象職種となりました。

しかし、従来の職種と違い、介護という仕事は「職員と利用者」や「職員同士」の日本語によるコミュニケーションが重要です。

そのため、外国人からはハードルが高い職種として認識されており、「志望者が中々集まらない」「技術習得の難易度が高く、ハードな生活を強いられる」といった状況になっています。

そのような状況を打破するため、場所や時間などに囚われず、自主的に日本語を学べる「eラーニング」に注目が集まっているんです。

eラーニングが介護の技能実習生にもたらすメリット!

◆eラーニングとは?
eラーニングとは、インターネットなどの情報技術を活用する学習法です。
パソコンやスマートフォン、タブレットなどを利用して時間や場所を問わず自身のペースに合わせて学習していけるというメリットがあります。

介護業界における外国人技能実習生は、入国後1年以内に日本語能力試験N3レベル(※日常範囲における日本語を理解できるレベル)の合格を求められているため、仕事と並行して継続的な学習を行っていくことが必須となっています。

しかしながら、介護技術に関する学習と日本語の学習を並行することは、講習を開く時間や場所、人手などの問題から、技能実習生にとっても事業所にとっても大きな負担になります。

そのため、時間や場所に縛られず、講師も必要としないeラーニングは、技能実習生と事業所双方のニーズにマッチしている学習法であると言えるでしょう。

研修や教育に革命を起こす!? eラーニングの導入事例

時間と場所を選ばず、自分のペースで学習を進めていけるeラーニング。

企業や教育機関における導入もどんどん進んでおり、組織体制強化や学習効率上昇など、非常に高い効果があることが実証されています!

①キヤノン株式会社での導入事例

カメラやOA機器、医療機器などの技術分野において、世界的な企業であるキヤノン株式会社。実は、日本国内でいち早く社員研修にeラーニングを導入した企業でもあるんです。

eラーニングの導入以降、キヤノンでは研修にかかるコストと時間の削減に成功し、必要な時、必要な人材にのみ適切な研修を提供できるようになりました。

さらにキヤノンでは、コンプライアンスや社内制度、業務上のマナーや仕事への意識向上など、組織作りに欠かせない要素もeラーニングシステムのなかに盛り込んでいます。

従来のマニュアル配布や全体講習といった形式では、社員の姿勢に左右され理解の浸透が進まないといった問題がありましたが、eラーニングの導入により各社員の確認状況や理解度をデータで把握することを可能にしています。

eラーニングには「学習の効率化」以外にも、「研修の進捗状況把握」を可能にするという大きなメリットがあるんですね。

②東北大学での導入事例

東北大学では、2005年度よりeラーニングシステム「ALC NetAcademy」を外国人留学生向けの日本語学習に利用しています。

2006年度にこのシステム利用者を対象として実施されたアンケート結果では、「必要不可欠」「あった方がいい」とする回答者は82%を占めていました。

また、「自立学習に便利」「いつでもどこでも勉強できる」といった感想も多く、非常に好評であったことが伺えます。

このような事例から、外国語の学習においてもeラーニングが非常に効果的であると言えるでしょう。

参考:日本学生支援機構 ウェブマガジン『留学交流』2012年2月号

介護の技能実習生向けに特化したeラーニング「にほんごをまなぼう」

さて、ここまで外国人技能実習生やeラーニングについて解説していきましたが、介護士を目指す技能実習生向けのサービスにはどのようなものがあるのでしょうか?

介護士を目指す技能実習生向けのeラーニングとしては、現在「にほんごをまなぼう」というサービスが、公益社団法人日本介護福祉士会と株式会社デジタル・ナレッジの協力によって提供されています。

こちらは「介護職種の技能実習生のための支援事業」のひとつとして提供されており、「日本語能力試験合格」「介護知識の向上」に特化したものになります。

「にほんごをまなぼう」には、外国人技能実習生を手厚くサポートするための数々の特徴があります。

①手厚いカリキュラムで、日本語能力試験を手厚く対策

主にN3で求められるのは、日常的な範囲で使われる日本語の理解です。

試験内容は読む能力と聞く能力の2点を認定するものであり、「にほんごをまなぼう」では約1000問のテスト教材を通して学習を手厚くサポートします。

こちらはドリル形式のため、繰り返しの復習により確実に理解度を高められます。

また、本番の問題構成同様の模擬試験も行っていけるため、自身の習熟度を把握することも可能です。

②介護現場で活用できる日本語もしっかりとフォロー

「にほんごをまなぼう」で学べる日本語は、N3合格に必要な範囲のものだけではありません。

介護士を目指す外国人技能実習生を対象としているため、介護現場で必要となる日本語についても、しっかりと学んでいけるように配慮されています。

サイト内には「介護の日本語Webコンテンツ」として、移動介助や食事介助などのシチュエーションごとに合わせた学習メニューが用意されており、利用者や職員とのコミュニケーションのとり方から基礎的な介護用語までを幅広く学んでいくことが可能となっています。

自律学習支援システムで、計画的な学習をサポート

自由に学習できる点が大きなメリットであるeラーニングですが、しっかりと学習計画を立てなければうまくいかないことも。

そこで、「にほんごをまなぼう」では技能実習生自ら学習状況を管理出来るよう、学習計画や学習履歴などを確認できるメニューをサイト内に用意しています。

これにより、技能実習生一人ひとりが自分に足りない学習内容やどのレベルまで達しているかの進捗を把握でき、計画的な学習をスムーズに行っていけるようになります。

外国人の技能実習においてのe-ラーニング

日本語学習と現場の理解、2本の柱で海外人材の活躍を支えよう

今回は外国人技能実習生の学びをサポートするeラーニングサービスについて紹介していきましたが、いかがでしたか?

日本のすぐれた介護技術を世界に提供し、課題となっている介護人材の不足を補うための「介護」への外国人技能実習制度。
制度を進める上で大きな壁となっている「日本語の習得」の仕組みづくりを行うことで、より多くの人材を受け入れる体制が作られていくことでしょう。

ただし、外国人の方々を受け入れていくのには、「現場の理解」が必要不可欠です。
「介護技術を習得したい!」という思いを持って海外からやってきた方々に、しっかりと寄り添いながら接していくことが、より一層大切になってくるのではないでしょうか?

介護ぷらす

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